TVアニメ「やがて君になる」先行上映イベント

来たる9月22日、「TVアニメ『やがて君になる』先行上映イベント」に参加してきた。

今回は当日のイベントの旨を個人的な感想等を交えながら記載していこうと思う。

 既にご存じの方も多いかとは思うが、この記事を書くに当たってまずは本作「やがて君になる」について簡単に説明しておこう。

 

daioh.dengeki.com

yagakimi.com

やがて君になる」は2015年より月刊コミック電撃大王にて仲谷鳩先生が連載中の百合漫画である。現在コミックスの累計は70万部を突破し、どうやら今年で3周年を迎えるらしい。今最も勢いのある百合漫画であると言ってもいいだろう。(と、知り合いの百合オタクが言っていた。)

内容にも少し触れておこう。

”好き”が分からない主人公・小糸侑が、誰も好きになることが出来ない先輩の七海燈子と出会うことで始まり、それぞれ悩み、変化していく心や関係性を描いたガールズラブストーリーとなっている。詰まる所、めちゃくちゃ面倒くさい少女達の中で描かれた百合作品だ。一部では百合作品ではないとの意見もあるが、仲谷鳩先生が百合作品であると明言している為、ここではそう説明させてもらう。

私はアニメ化が発表されてからこの作品を読んだ新参者なのだが、2人のもどかしい距離感と変化を描いていく中で、「好き」とは何か?「自分」とは何か?という人間のパーソナルな部分を読み手に問いかけてくる。そんな繊細な雰囲気に痺れ、気付けばこの作品の虜になっていた。

そして今秋10月から堂々のアニメ化、小糸侑役に高田憂希さん、七海燈子役に寿美菜子さんがキャスティングされている。

今回はそのアニメの先行上映会、という訳だ。

長い前書き終わり。

 

 さて、ここからが本題。

以下当日のイベントの様子を断片的ながら書いていきたいと思う。

 

来たる9月22日、会場はユナイテッドシネマ豊洲。上映会としては馴染みの深い劇場であると思うのだが、ここに来るのは昨年の「NEW GAME!!」の先行上映会以来か。

こちらも高田憂希さんが主演の作品で、当然彼女も登壇された。なんだか縁のある会場だなあなんて思いながら入場した。

 

f:id:k_9_ah:20180930170825j:plain

 席に座って間も無く、劇場が暗転。

早速アニメ第1話の上映が始まった。

 

第1話上映

 アニメの内容について話したいことは山ほどあるのだが、ネタバレになってしまうので、こちらでは省略させてもらうが、とりあえず、素晴らしい仕上がりになっていたと思う。

原作者、編集者の方が以前言っていた通り、原作を大切に、アニメになることでより鮮明に見える描写に加え、アニメでしか描けない魅せ方が1話の時点で幾つか見受けられた。 

また、役者の演技も想像していた通り、いやそれ以上か。特に高田憂希さん。PV時点では正直どうなんだろうと思う部分が少しあったが、衝撃を受けたのを覚えている。まだ知らない引き出しを感じたというのが初感だ。

この作品は、人間の内面的な感情を繊細に描いた物語なだけに、その言葉の一つ一つには複雑な感情が込められていると思う。となると、当然その言葉を話す"声"は作品においてかなり重要なアクターになるであるだろう。「原作がそのままアニメになった」という感想もチラホラ見たが、本当にその通りだと感じた。2話以降への期待が膨らむ。

第一話のあらすじはこちら

yagakimi.com

次に進もう。

ここからは出演者が登壇されてのトークパートだ。

 

登壇、OPトーク

第1話を視聴した興奮と余韻が感情に漂う中、演者が登壇。

登壇者は小糸侑役高田憂希さん、七海燈子役寿美菜子さん、佐伯沙弥香役茅野愛衣さん。そして司会に儀武ゆう子さん。ここはサプライズだったようだ。

その空気感に沿うように、

「皆さん、興奮してますか?」

と高田さんが呼びかける。

「皆さんと同じ興奮を感じてる」

と寿さん。

そして、茅野さんが

「アニメ第1話を見たが、「好き…」という感じ」

と続き、簡単な自己紹介と共にOPトークが終了。司会の儀武さんから作品についていくつか質問が投げかけられる形でトークパートは進行していった。

 

・演じるキャラクターについて

 最初に簡単な作品の紹介を挟んだ後(ここでは省略)、それぞれが演じるキャラクターについての話に。

登場人物に関してはこちら。

yagakimi.com

最初は高田憂希さん。

小糸侑を簡易的に説明した後、キャラクターと自分の似ている部分について質問されると、

「頼みに対して真面目に答えるというところは似ているかも」

と答える。他人に流されやすい性格の侑は、優しいキャラクターとして描かれている。優しいからこそ、他人の頼み事を断れない。

高田さんの真面目で優しい人柄の良さは見ていても良く分かるし、確かにな。と思わされた。

ここで、キャラとの類似に続くように高田さんが

「キャラクターを演じるとき、私には2パターンあって、台本を読みながら声を想像するパターンと、感覚で声を感じ取るパターン。侑は読んでいて声が流れ込んできたキャラクターで、こんなことは初めてだった。私に近しいキャラクターなのかな。(意訳)」

と語る。

個人的にこれは衝撃的だった。この先行上映会という場でこのことを話す姿に、小糸侑を演じることに対する役者としての自信をも感じた。アニメへの期待がより膨れ上がる。

これに

「某先輩に(小糸侑が)まんま高田じゃんと言われた」

と付け加える。

そこに茅野さんが

「でも侑はそんなに手を動かさないよね」

と笑いながら突っ込む。確かに、それはそう。と思ったがまあいいだろう。

 

少し話は逸れるが、以前似たようなことをチョクメで言っていた。内容に関して詳しくは話せないが、彼女が演じることの喜びを再確認したのはこの作品なのだろうとこの一連の話を聞いて私は感じている。高田憂希さんのチョクメ、万人に見て欲しい内容なので皆さんも是非。

 

話を戻して、

「侑の内面はまだまだこれからなので」

と今後に期待を持たせて次へ。

 

次は寿美菜子さん。

七海燈子についての話だ。

「好きを知ることで印象が変わる」「お茶目」

と言った1話では描かれなかった今後の話が中心だったが、

「燈子の感情の大きな動きが1話で描かれている」

という話も。この作品は2人の出会いが起因となってそれぞれの心境に変化が生まれる、その始まりが描かれたのがこの1話。ということだ。

アフレコの話もここだったか。

「収録の時、流れている絵に無理に合わせず自分の間で演じていいという指示があり、尺にとらわれずスムーズに演じることが出来た」

これも衝撃を受けた。演技のしやすい環境を提供し、役者がそれに応える。ある意味、役者としての実力が試されることにもなるので、プレッシャーでもあったという話も少しされていたが、表現を妥協しないその姿勢に感動したし、嬉しく思った。その後「まあ編集は大変だと思いますが」といった苦笑を含んだ茅野さん(ここ曖昧)の一言。全員でアニメを作っている、そんな当たり前のことを改めて感じた。

 

最後は茅野愛衣さん。

佐伯沙弥香。

1話の時点ではそこまでクローズアップはされなかったということもあり、

「今後に期待してください!」

と一言。

今後の見所として、

「燈子との関係性だけではなく、侑との関係性も見て欲しい」

とのこと。それ。と声が出そうになった。

茅野さんは絵に関する話が多かった印象。

「絵のお芝居が本当に良い。口元に注目して欲しい」

演技に関しては

「『…』の芝居をあえて入れない」

というここでも間の話が挙がる。感情の表現には声に出さない部分での演技もある。という演技への徹底。凄い。

 

第1話振り返り

先程のトークでも幾つか振り返っていたが、改めて。

好きなシーンについての話へ。

・高田さん「先輩(燈子)が侑の頭を撫でるシーンで、アホ毛の動きが可愛い」「初めての触れ合いだから」

・寿さん「侑の手を握った後、手を繋ぎ直すシーン」

・茅野さん「木漏れ日の描写、空のカット」「原作を大切にしているんだなと」

とそれぞれが思い思いのシーンを述べた後、付け加えて

「地面に足がついているという変わらない心を足元だけを写して表現するシーンがある」

と高田さん。

これを詳しく書くと大々的なアニメ1話のネタバレになってしまうので控えるが、ここは個人的にも大好きなシーンなので是非アニメ放送を見て確認して欲しい。

第1話だけでも、こういった表情や声以外の表現が幾つか見られた。背景の美しさも勿論だが、そういうところにも注目してみると面白いかもしれない。

 

ここでは「どんな高校生だったか」という学生時代の話もあった。

茅野さんが学生時代に同性の子から告白されたことがあると衝撃発言していたが、確かにモテそう。同性カップルって以外と身近なところにあったりするのかもしれない…と少し胸が騒いだのを覚えている。

 

次はバラエティコーナーです!と儀武さんの一言。次へ。

 

今だけ特別に君のことを好きになりそう演説

 なんだこのタイトルは。と、突っ込みを入れたくなったがそれは置いておこう。

簡単に説明すると一般的に好きじゃないものを演説して皆に好きと思わせた人が勝ちということらしい。投票は拍手の量。

お題は

・高田さん「満員電車」

・茅野さん「オバケ」

・寿さん「校長先生の話」

これらを順に演説していく。

高田さんが「満員電車は密着出来て楽しいし、パリピになれる」という訳の分からないことを言ったと思えば、

茅野さんが「オバケは何かと縁があるんですけど、某ラーメンの具が名前のあの子とか、ゾンビだらけの学校の先生とか皆良い子だよ」と某作品達を思わせる発言で会場の笑いを誘い、

寿さんが「人という字は〜」と某八先生のモノマネを披露したのに対し「12点」と評されて、オチ。

優勝は茅野さん。それはそう。

賑やかなコーナーが終わり、インフォメーションへ。

 

インフォメーション

ここで幾つか新発表もあった。簡単にまとめておこう。

・「やがて君になる アンソロジー」制作決定

twitter.com

https://twitter.com/yagakimi/status/1043493087878631425

 

・OP・EDのCDジャケットイラストの初公開(未完成版)

 

・10月07日 高田憂希さんによるポストカード配布会の開催決定

yagakimi.com

 

音泉にてWebラジオ「やがて君になる 〜私、このラジオのこと好きになりそう〜」の配信決定

www.onsen.ag

 

dアニメストア等、動画配信サイトでの配信決定

yagakimi.com

 

こんなところだろうか。

詳しくは公式Twitter、HPなどで確認して欲しい。

 

終演の挨拶

ここでお時間が…と儀武さんからアナウンス。それぞれ最後に挨拶をしていく。

茅野さんから。

「いつかフルキャストで」

という言葉が印象的だった。いつかそんな日が来ると良いなと、希望を持てる発言。嬉しい。

 

続いて寿さん。

「好きってなんだろう、そんな人間的な部分と向き合う作品」

誰しもが一度は考える、パーソナルな部分に一石を投じる、問いかけてくる当作品。この一言で作品への理解とリスペクトが強く伝わってきた。

 

最後は高田さん。

「小糸侑役の高田憂希と名乗れることが嬉しい。会話劇を演じるのは今回が初めてで、役者として、こんな素敵な作品に巡り会えて本当に嬉しい」

このイベントで衝撃を受けてばかりだ。私の観測範囲内で先行上映会の時点で、こんなことを言う彼女を見たことがない。それほど、この作品は彼女の琴線に触れる大きな何かがあるのだろう。

「会話劇」と評していたが、最初に述べたようにこの作品は人間の複雑な心情を描いた作品だ。その変化を言葉によって表現する、そのことを「会話劇」と言っていたのだろうと思う。そして、そんな言葉を声で表現するということは難しい反面、役者として嬉しいものなのだろう。

「会話劇を初めて演じる」作品で「初めて感覚的に声が流れ込んできた」キャラクターを「演じられることの喜び」。

この作品は彼女に変化を与える作品になるのかもしれない。

 

「これからも応援宜しくお願いします」 

 

これで終演。

上映会含め1時間半ほどだったか。

 

当イベントに関してのツイートを編集者様がまとめてくださっているのでそちらも是非。

togetter.com

 

出演者や関係者の皆様のイベントの感想はこちら。

twitter.com

twitter.com

twitter.com

twitter.com

twitter.com

twitter.com

ameblo.jp

ameblo.jp

 

非常に満足度の高いイベントだった。

第1話の完成度の高さ、スタッフ、キャストの想いからアニメ放送がますます楽しみになるばかりだ。

 

2018年の締めくくりに相応しい。

今期は「やがて君になる」で間違いないだろう。

 

 

当ブログをここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

この作品に少しでも興味を持って、更にアニメを視聴してくれたなら、私もこのブログを書いた意味があるというものだ。

ちなみに、現在期間限定で原作1話~10話まで無料で読むことが出来るので興味を持った方はこちらから読んでみるのも良いかもしれない。

comic-walker.com

 

是非「やがて君になる」を宜しくお願いします。

 

おわり。