2020年

今年もやっていきます。

はじめに

毎年恒例になりつつある年の瀬の風物詩、1年の振り返りブログ。
昨年はイベント、アニメ、楽曲、声優の4項目を振り返っていましたが、今年は新型オンオオウイルスの影響によりオタクイベントに参加する機会がほぼなく(前年度比85%減)、それに伴って全体的にオタク的なモチベーションが下がってしまった為、特に振り返ることのない1年となってしまいました。悲しいね…。
それでも楽曲だけはそこそこ聴いていたので今年は楽曲についてのみ書こうと思います。

今年の良い曲10選

例の如く、コンテンツやアーティスト、作家の被りがないよう意識して選曲しました。オタクモチベーションの低下とか上で書いておいて、選んだ曲が大体オタク楽曲になってるの、マジで何?って感じですが、今年は家にいる時間が多かった分、これまで触れてこなかった曲達を聴く機会が増えて、割と充実していたな〜という気持ちです。
早く生で気持ち悪い動きをしながらキモい音を浴びたいですね。

Fall in Love / SEASON OF LOVE

作詞:SATSUKI-UPDATE 作曲:Hiroshi Usami

Fall in Love

Fall in Love

アプリゲーム『Tokyo 7th シスターズ』より。
有栖シラユキ、星柿マノン、ターシャ・ロマノフスキー、晴海シンジュによる新ユニット『SEASON OF LOVE』のデビュー曲です。エピソードでは未来編と称してA.D.2043、9年後のナナスタが描かれ話題になりました。
ジャケットを見れば分かる通り、秋(Fall)が一つのテーマになっており、どこか寂しくも美しい雰囲気を曲全体が纏っているような、秋の空気感を確かに感じさせてくれる曲になっています。
デビュー曲らしい明るく華やかなバンドサウンドですが、飾りのない真っ直ぐなメロディが体にスッと入ってきます。聴き心地がなんとも良い。
自然体で人間的な印象を受けながら、それがとても美しく感じられるのはまさに"ナナシスらしい"と言えます。
Aメロの「枯葉」「落ち葉」と言った秋に因んだワードは季節の移り変わりや夏の終わりを思わせますが、それらを「澄んだ枯葉」「濡れた落ち葉」と表現することで儚げな美しさを感じさせ、更にはそれらを「好き」と肯定することで"今"という瞬間の尊さ、新たな始まりを感じられます。
特筆すべきはやはりCメロでしょう。2サビにいかずCメロに向かう展開から「色づいた木々たち」「沈んでいく太陽」という詩が続くことで"変化"を強く強調し、後半で「輝きの季節に恋して生きるの たとえば真実の恋にいつか落ちちゃっても」とサビに向かってキメを挟んだのち「ほら目の前伸びる夢のアーチライトは〜」と結ぶ流れが美しく、気持ちいい。
季節が変わっていくように世界は常に変化し続けるもので、変わりたくないと願っても人は変化の重力に抗うことなどできない。そんな寂しさや儚さを感じさせながら、それでも「輝きの季節」に生きること。 「輝きの季節」は"今"を祝う言葉だと思っています。つまり、この時間は永遠ではないけど、だからこそ今を生きる。そうすればきっと未来は輝かしいものになるのだと、そういったメッセージをこの曲から感じました。
ナナシス自体、昨今は変化を強く感じさせるものが多く、ナナシス終わるんか…?と寂しく感じていたので、そういった面も含めて未来を前向きに捉えられるようになった、そんな思い出深い一曲です。エピソード5.0も最高なので読んでください。

キミのラプソディー / Mashumairesh!! (遠野ひかる, 夏吉ゆうこ, 和多田美咲, 山根綺)

作詞:Wiggy 作曲:Wiggy

キミのラプソディー

キミのラプソディー

  • Mashumairesh!!(CV:遠野ひかる、夏吉ゆうこ、和多田美咲、山根 綺)
  • アニメ
  • ¥255

ましゅまいれっしゅ!!良いアニメだったな…ってことでTVアニメ『SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!』のEDテーマです。
力強いイントロの入りから、可愛らしくキャッチーなギターリフがとても耳に残ります。その中に少しの切なさを感じられるようなメロディーになっているのがまた良い。
サビでのユニゾン、繰り返されるクリシェっぽい進行、ラスサビ頭のキメなど、バンドの一体感、わちゃわちゃ感を要所で感じられ、特にラスサビのドラマティックなキメから最後の最後にタイトル回収と合わせて「キミのラプソディー」とユニゾンするのがめちゃくちゃ良くて、Mashumairesh!!が紡いできた軌跡をどうしようもなく感じてしまうような、そんな曲です。
そして衝撃なのが、アニメ上この曲の作詞をマシマヒメコが担当しているということです。
つまり「もうちょっとあとちょっと キミに近付きたいな 秒速5センチ まだちょっと言えなくて キミに触れてみたい...」も作詞マシマヒメコだし、「出逢えた奇跡が 日常を彩って きらめき出す」も作詞マシマヒメコだし、「oh my girl 想いが そっと溢れてく」も作詞マシマヒメコなんですよね。マシマヒメコさんさぁ…。
前半では想いに反して素直になれず、降り積もっていくだけだった気持ちを「想い"は"そっと溢れてく」としていたのが、Cメロで「勇気を出し駆け出した」ことを皮切りにラスサビで全開放され、「想い"が"そっと溢れてく」と転調と共に積もった想いが外に溢れ出してしまう、そんな状態を「oh my girl」と歌う流れが余りにも良すぎる。マシマヒメコさんさぁ…。
2020年のアニソンを代表する一曲だと思っています。

23時の春雷少女 / 鬼頭明里

作詞:田淵智也 作曲:田淵智也

23時の春雷少女

23時の春雷少女

声優アーティスト鬼頭明里さんの1stアルバム『STYLE』より。
イントロのワクワク感。ギターから始まりドラム、ピアノ、シンセと音が一気に広がっていく感じが、これから何かが始まるという予感を確かに感じさせてくれます。その中にほんの少し影が見えるような音が違和感となって聴こえてきます。
Aメロの前半から後半にかけて不揃いな印象を受ける音達が歩幅を合わせてリズム感になっていく感じが、「街を包む風と誰か」に対して「識別さえできない」私が「通じ合える特別な声」と出会うことで世界が進み始める物語と噛み合っていてとても良い。
Bメロ、強調され少しずつ近付いてくるコーラスが緊張感、不安な空気感を思わせ、スネアの連打からサビへと盛り上がっていき、サビの「まるで春雷」でキメ。曲の要所で孕んでいた影が、春雷のインパクトを引き立てているように感じられます。
春雷とは春を告げる雷とされています。「君の勇気を感じ取った」とあるので2人の関係に何らかの変化が訪れようとしていることが分かり、それがきっかけとなり春雷が起こる。それを受けて「エラーコード」が発生してしまう。電子的な音楽、歌詞と雷の組み合わせ方に脱帽します。
Cメロのピアノソロ、シンセソロで涙と感情の揺れ動きを表現し、ラスサビは向かう流れは圧巻です。
春雷によりエラーコードが発生し、逃げてしまった1番から自分の感情が分からず不安が滲む2番、Cメロでそうして思わず溢れた涙をきっかけに自分の感情に対する答えへと向かっていき、ラスサビの「証明は終わり それが恋だった」で大回収。最後にはイントロと同じメロディを"君との新しい世界の始まり"として聞かせる流れが見事です。
少女の複雑な恋心を電子的な要素と、雷、23時というワードと音を使って表現したセンスは流石は田淵智也さんと言わざるを得ないですし、そこにやしきんさん・成田ハネダさんによる編曲が加わり最早無敵です。この曲を歌い上げ、自分のものにしてしまえる鬼頭明里さんのポテンシャルにも驚かされました。
他にも『キミのとなりで』や『トウメイナユメ』など今年の鬼頭明里さんはアーティスト面でも凄かったですね。

アンチグラビティ・ガール / 月ノ美兎

作詞:MCTC 作曲:TAKU INOUE

にじさんじオリジナルフルアルバム『SMASH The PAINT!!』よりVtuber月ノ美兎さんの楽曲です。
浮遊感、宇宙感のあるサウンド月ノ美兎さんの力強く飾らない歌声が印象的な一曲です。
冒頭の「イエー!」から最大出力で殴ってくる感じが堪りません。シンセサウンドが印象的ではありますが、それとは裏腹に生感のあるバンドサウンドが見事に親和していて凄いことになっています。
遠く、そして広く響き渡る盛大なサウンドは広い世界を見せてくれるようですが、そこにちょっと間抜けで自由な歌詞が良いアクセントになっていて、グッと近くに歌い手が感じられるような気がします。
ポンコツだって承知さ」「B級のドリーム 永久にさ」「重力なんていらない ハリボテでもいい」などなど、自分のパーソナルを力強く肯定し、歌い上げる。曲中でも所々間抜けだし、バカなことをやって失敗したりしているのですが、それらすら「今までの全てを笑ってたい」と歌い、更には「これからの全部を笑いたい 笑ってたい」と過去現在未来全てを肯定してしまえるカッコ良さ。
私は月ノ美兎さんがどのような人なのかわかりませんが、それがきっと月ノ美兎という存在なのだろうと一撃で分からされる感じが凄い。
また、2020年にこの曲が出たことに大きな意味があるんじゃないかなぁと思います。無条件でエンタメっていいなあと思わされた、そんな曲です。
2020年の大アンセムで間違いなしでしょう。
今年のイノタクは凄かった…まあ、いつも凄いのですが…

ゆっくり走れば風は吹く / ときのそら

作詞:瀬名航 作曲:瀬名航

ゆっくり走れば風は吹く

ゆっくり走れば風は吹く

  • ときのそら
  • アニメ
  • ¥255
ときのそらミニアルバム『My Loving』より、Vtuberときのそらさんの楽曲です。
ゆっくり走れ!走れ!道に!迷った時がチャンスだ〜←めちゃくちゃ好き
疾走感のあるポップなメロディが印象的な一曲です。サビで入るブラスサウンドやクラップ、グロッケンっぽい?音など、色々な音が聞こえて来るカラフルなサウンドが楽しいです。そこにときのそらさんの特徴にも思える高音域の歌い上げが乗っかって少し不器用ながらも突き抜けるような気持ち良さがあります。
サビの「ゆっくり走れ 走れ」「何にもない もない」「出来ないことばっかり見えて くるくるいつも遠回り」など、同じ言葉を2度繰り返すことでリズム感が良く、更に力強いメッセージ性を持たせる歌詞が見事です。地に足がついていてとても温かい一曲です。長く愛される曲になっていってほしいですね。
「何にもない」もない!←クソ好き

シャイノグラフィ / シャイニーカラーズ

作詞:古屋真 作曲:ヒゲドライバー

シャイノグラフィ

シャイノグラフィ

  • シャイニーカラーズ
  • アニメ
  • ¥255
プラウザゲーム「アイドルマスターシャイニーカラーズ」より一曲。
とにかくサビの上昇感が凄い。Bメロで音を落としてから、少しずつドラムが高まっていき高音で「行こう」と入りサビへ行く感じが助走をつけて飛翔する姿を容易に想像させてくれます。そこからサビで細かく刻まれるスネアが異常な疾走感を演出しており、そこに階段のように駆け上がっていくメロディが合わさってとんでもない上昇力を感じさせてくれます。
サビ後半ではその勢いを落とすことなく、軽やかなハイハットが入り、情熱的なギターリフが鳴り響く展開がとてもエモーショナルです。
また、ドラムパターンに関しては1番と2番とで異なっており、2番以降は1番のような高速ドラムはなく、どちらかと言えば地に足がついたような比較的落ち着いたビートになっており、それがまた力強く、ドラムでもグラデーションを感じられるヒゲドライバーさんの技巧にビビります。色を感じさせる歌詞や全体的に透明感のあるメロディがシャニマスの新たな風を感じさせますね。
「不可能から可能性に」が凄く好きです。0から100ではなく、0から1になることに価値があるんやな…。

Agapanthus / 麻倉もも

作詞:渡辺翔 作曲:渡辺翔

Agapanthus

Agapanthus

麻倉ももさんの2ndアルバム『Agapanthus』のリード曲です。
イントロのキャッチーなメロディーと可愛らしい音が気持ち良いです。サビで響く開放感のあるストリングスは少し大人っぽくなった麻倉ももさんにピッタリハマっており、温かく、想いが花開いていくような印象を受けます。ハァ…渡辺翔さん…。
また、Bメロやサビ終わりのウィスパーボイスは聴きどころであり、麻倉ももさんの強みを感じます。本曲では全体的にナチュラルな印象があり、より麻倉ももさんの実像が思い浮かぶような感じがありますね。ハァ…麻倉ももさん…。
タイトルの『Agapanthus』の花言葉は「恋の訪れ」「ラブレター」であり、それに因んだ表現が歌詞でも見られます。「施したアイの刺繍ポスト入れて花やいだカード届けよう」などといった歌詞は意図せずでしょうが、ご時世的にどうしても心に来てしまいます。
声優アーティスト麻倉ももさんと言えば、恋の歌。そんな印象を強く打ちつけ、更には大人になった愛の歌をも歌った、本アルバム『Agapanthus』はひとつの集大成と言えるのではないでしょうか。

Take me to heaven / AZKi

作詞:七条レタス 作曲・編曲:D.watt (USAGI Production)

Take me to Heaven

Take me to Heaven

  • AZKi
  • エレクトロニック
  • ¥255
Vtuber AZKiさんのオリジナルシングルです。
ゆったりとしたテンポのクラブミュージックで音数が多くなく、柔らかいサウンドが印象的ですが、それとは裏腹に「音楽がないと生きていけない」と言った感情的なメッセージ性が込められており、そのギャップが良いです。
「息が止まるその瞬間まで この音楽に溺れてたいの」「遺書みたいなプレイリスト」「“Take me to heaven” 連れていって、あのメロディで 私を、そこへ」など重たく感情的な歌詞ではありますが、感情いっぱいに歌うと言ったことはしておらず、それが逆に狂気的というか…。淡々と音楽に沿って歌っているような感じがあり、グルーヴ感があって気持ち良い。
夜明けや朝方などの街の風景が鮮明に思い浮かぶような曲です。
音楽がないと生きていけない人間は私の周りに沢山いそうなので、そうだと思う人は聴いてみてはどうでしょうか?

感電 / 米津玄師

作詞:米津玄師 作曲:米津玄師

感電

感電

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255
米津玄師の5枚目のアルバム『STRAY SHEEP』より。
ブラスサウンドが印象的な一曲です。どこかアンバランスなメロディにクサい歌詞がど真ん中を突き抜けていくのがめちゃくちゃカッコイイです。
犬や猫の鳴き声など、色々な音をアクセントとして使用しており、アンバランスな感じ、どこか不気味な感じがありながら、思わず横ノリしてしまう。尚且つグルーヴ感があって正直よくわかりませんが、とにかく凄いです。これを1人で作り上げてしまう米津玄師の"凄み"が凄い。
歌詞全体に社会から乖離された人間の生き方を感じられます。やるせない世の中から抜け出して「たった一瞬のこのきらめき」や「心臓を刹那に揺らすもの」を求めて「稲妻のように生きていたい」。そんな生き方を持ってしてリスナーに「お前はどうしたい?」と投げ掛ける、それこそが『感電』なのかなと思います。
というか、これがJ-Popの第一線で響き渡ってると思うと笑ってしまいますね。

yumeutsutsu / 赤い公園

作詞:津野米咲 作曲:津野米咲

yumeutsutsu

yumeutsutsu

赤い公園のアルバム『THE PARK』より一曲。
バキバキに歪んだギターリフから始まる爆音のイントロがめちゃくちゃに気持ち良く、衝撃的。どうやってこの音出してんの…?あとベースがめちゃくちゃやかましい。
「轟け愛 予感を信じて五感を劈く」、ラスサビの「行こうぜ!」からの「うつくしい圧巻の近未来 絶景の新世界」と言ったキラーワードがメロディに負けてない。
イントロからジャスト3分間、とんでもない勢いで音楽が駆け抜けていく爽快感。有無を言わさない力強さ。めちゃくちゃカッコイイです。生で聴いて見たかったですね。

以上が2020年の10選となります。今年は趣向を変えてオタクソング以外からも選んでみました。今回は選びませんでしたが、他にもヨルシカの『盗作』なんかも衝撃的なアルバムでしたし、Kizuna AIの『Replies』も良かったですね。
今年はVtuberの曲などネット音楽を聴き始めたり、J-Popなどの曲も良く聴いていて、割と充実していたな〜と思います。コロカスの影響で他の事柄はクソでしたが、音楽だけはいつもそこにあって、音楽の価値を改めて感じられたそんな一年だったように感じます。

終わりに

書いてたら紅白が始まってクソ慌てています。
さて、モチベーションが下がったと冒頭では書きましたが、定期的にアニメを見て絶叫したり、漫画を読んで鬱病になったり、オンラインライブを見て絶叫したりしてなんだかんだ楽しかったです。
イベントが無くなったらどうなるんだろう…みたいなことを昔考えていたことがありましたが、実際目の当たりにすると、意外と生きていけるんだなというのが少し寂しくもあります。
いつかまたイベントに行ってデカイ声出して、居酒屋でまたデカイ声を出して、終いには終電を逃すような、そんな日常が戻って来てほしいなと願っています。いや、そうでもないな。
ともあれ、今年もお疲れ様でした。
ナナシスのライブと劇場版は行きたいね〜

終わり。

雲ひとつない空へ──【鬼頭明里 1st LIVE TOUR「Colorful Closet」名古屋公演】感想

はじめに

2020年10月3日に開催された「鬼頭明里 1st LIVE TOUR「Colorful Closet」名古屋公演」がとても良いライブだったので感想をつらつら書いていこうかと思う。

コロナ禍と開催にあたって

まずはじめにこれを書いておかなければならない。 世は大コロナ時代。新型コロナウイルスの影響で数多くのイベントが中止・延期となり、多くのオタク達が肩を落としたことだろう。声優オタクにとって非常に苦しい状況が続く中で、今回のライブは開催された。それは強行とも言えるかもしれないが、当然、開催するにあたって何の対策も打っていない訳ではなく、現地では声出しNG・フェイスシールドの着用・キャパ50%チケ代2倍での実施等、多くの制約が設けられ、オタク達の間で物議を醸したりしていた。 しかし悪いことばかりではなく、生配信の実施があったり、現地では充実した入場特典や30秒間の写真撮影、更には終演後鬼頭さん本人によるお見送り等もあったらしく、本人を含む運営側の何とかライブを良いものしようという強い想いが十分に感じられた。

念願の1stライブ、決して万全とは言えない状況ではあったが、そこにはかつて我々が体験した、変わらぬ声優ライブの魅力とそれを思い出させるような心震わせる想いが確かにあった。

本編

以下、ライブのセットリストに沿って感想を書いていく。言い忘れていたが今回のライブはツアーで名古屋公演は東京、大阪と来ての千秋楽のライブとなる。また名古屋は鬼頭さんの出身地でもあり、1stライブの千秋楽にして凱旋公演という贅沢なライブである。 ライブの模様は10月6日までアーカイブ配信をやっているそうなので是非。

1.Swinging Heart

アルバム曲をアレンジしたようなオシャレなオープニングを終え、一曲目。デビュー曲のSwinging Heartよりライブが開幕。Swinging Heartの高揚感のあるイントロに合わせて、ステージ後方にあるアルバムのジャケットにも使われたピンクのクローゼットが開き鬼頭さんが登壇する演出がめちゃくちゃ熱い。
これは個人的にだが、Swinging Heartの開幕にブレスが入っていて、このブレスを合図に曲、ひいてはライブが始まるのがめちゃくちゃ良くて、彼女の声優アーティストとしてのスタートを予感させてくれた。
「ずっと私を信じていて」「ゼッタイ後悔はさせないよ」と言った歌詞からは今回のライブまでの経緯を踏まえるとまた違って聴こえてくる。「今出来る精一杯をやり切るんだ…行くよ!」そんな彼女の決意と誓いの歌から、これから始まるライブと、声優アーティスト鬼頭明里への期待が高まっていく。
今、振り返って聴くと「キミがいて私がいる今日というフレーズ(最高のフレーム)」という歌詞がグッと刺さってしまうのは非常に憎い。 後になって気がついたことだが、ライブタイトルはこの曲の「カラフルな願い事、溢れ出した」と言う歌詞から来ているように思う。

2.Always Going My Way

続いてアップテンポなナンバー。
皆と盛り上がれる曲が作りたくて出来た曲*1、ということでクラップや合いの手が楽しい曲だが、声出しNGなのが本当に悔しい。とは言え、曲中にはダンサーの方がハンガーに掛けられた衣装(1st、2ndシングル衣装等)をコーディネートする演出があったり、ちょっとした振りが付いていたりと、見ているだけで楽しい演目だった。

MC1

簡単な自己紹介や、名古屋の話、ライブの概要について、衣装についてなどの話が中心。
ここで制限がある中でのライブであることにも触れ、こんな状況で来てくれる人達に何か恩返しがしたい、という想いでブロマイドに手書きで文字を書いたらしく、彼女自身相当思うところがあるんだろうなと感じた。
これは余談だが、「名古屋の人〜?」といった定番のトークに最早懐かしさを感じてしまった。

3.INNOCENT〜4.CRAZY ROCK NIGHT〜MC2〜5.Drawing Wish

バラード曲のINNOCENTから一転、衣装替えを挟んでハードロックのCRAZY ROCK NIGHTへ。
Always Going My Way→INNOCENT→CRAZY ROCK NIGHTという異なる歌声を上手に使い分けており、普段の演技からも感じられる声の器用さを歌声でも感じられた。
また、CRAZY ROCK NIGHTとDrawing Wishでは生バンドの恩恵を存分に浴びた。私はオンラインだったのでライブ行きた…となったのは余談である。

6.dear my distance

dear my distance、完全神曲。特殊イントロ、神。
彼女自身も初のタイアップ曲で思い入れが強い曲と以前語っていたが*2、その言葉の通り感情たっぷりに歌い上げた。1stアルバムのジャケットに使われていた白いドレスに再度早着替えし、一瞬で会場の雰囲気を変える姿は圧巻の一言だった。
やっぱり、超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!なんかなぁ…

7.Star Ark

Star Ark、完全神曲
ここまで少し硬い印象があったのだが、dear my distanceの辺りからスイッチが入った感じがする。 煌びやかなストリングスが心地良く、そこに突き抜けるような歌声が合わさってグッと曲の世界観に引き込まれた。バックモニターの星の演出も綺麗だった。

MC3

dear my distanceのペンライトを色変えが綺麗で堪能出来て嬉しかった、Star Arkの映像が綺麗で楽しんで頂けてたら嬉しい、声が出せないからみんなで一緒に出来ることを考えてみんなでウェーブをやろう等、制限がある中でも楽しんでもらえるような仕掛けが多く含まれていて、彼女なりに色々試行錯誤しながらのライブなんだなと思った。

8.Closer〜9.23時の春雷少女

キュートな一曲との前振りからCloser→23時の春雷少女。(言うほどキュートか?)
どちらも非常に難しい曲だが、そこは流石と言った感じ。23時の春雷少女では振り付けがMVと同じものとなっていて声が出た。(オンラインなのでデカイ声が出せる)(謎マウント)
23時の春雷少女はやはり完全神曲だった。生で聴きた過ぎる。

10.ロケット(月坂紗由)〜MC4〜11.starry(綾野ましろ)

バンド・ダンサー紹介に加え、衣装チェンジ。ここからキャラソン・カバー曲パート。
各公演異なったキャラソン、カバー曲を披露しているらしく、千秋楽の本公演ではRe:ステージ!よりロケット、グランクレスト戦記よりstarryを披露した。この2曲、どちらも声優鬼頭明里の原点とも言えるコンテンツからの選曲な訳で…まあこれはズルイ。starryの曲振りで会場のオタクの絶叫がそれを表している。彼女のファンの方は恐らく意識を失っていたことだろうと思う。
多くの衣装チェンジはライブコンセプトもそうだが、彼女自身がライブで衣装を見るのが好きで、ということらしく、本当にあらゆるところで観客を楽しませようという想いの元で、ライブを構成しているんだなと思った。

12.Desire Again〜13.キミのとなりで〜MC5

キミのとなりでのタイミングで6度目となる衣装チェンジ。
3rdシングルとなるキミのとなりでは今回が初披露ということらしい。また難しい曲が来たな…という印象だが、それは期待の裏返しで、またそれに応える実力への信頼があるんだろうと思う。

14.Tiny Light

アンコール前ラストはTiny Light。アルバムの最後を締めくくるこの曲はアニメ「地縛少年花子くん」のED曲でもあるのだが、この曲は少し特別な曲である。と言うのも、元々花子くんのEDにはDesire Againが使われる予定だったのだが、花子くんのイメージじゃないと鬼頭さんが直談判して誕生した曲だと以前語っていた*3。また、花子くんには彼女自身ヒロインの八尋寧々として出演しており、そのアニメのEDも担当して、ということもあって非常に思い入れの深い曲なのだろう。
アニメのEDからアルバムのラストに、そしてライブの締めへ、彼女の歩みを感じさせるような美しい締めくくりだった。

EN1.君の花を祈ろう

ここまでのライブはとても美しいライブだったと思う。多くの仕掛けからは彼女の観客を楽しませたいということ、パフォーマンスや演目からはライブを良いものにしたいという彼女の想いが伝わってきた。しかし、あえて言うなら、"無難"な内容だと私は感じてしまった。小綺麗で丁寧なライブ、そんな印象があった。間違いなく良いライブではある、でも何かが足りないような、言うならば、どこか殻を破れてないように見えた。
そんなことを思いながら迎えたアンコール。ここで、その殻はこの曲をきっかけに見事に崩壊することとなる。
アンコールの最中、モニターに「お客様から鬼頭明里さんへのサプライズメッセージアップ、いよいよ次の曲です!」と表示される。実は開演前に客席にひとつずつメッセージボードが配られていて、そこにメッセージを書いてサプライズで鬼頭さんに届けようという企画が進行していたのである。
そして、君の花を祈ろうの落ちサビ、一斉にそのボードが掲げられた。それを見た彼女は歌いながら、思わずボロボロと涙を流した。それは彼女の殻がボロボロと崩れていくような、そんな感覚だった。声は上澄っていたし、綺麗な歌ではなかったかもしれない。それでも、それは私が今日見たものの中で最も美しい瞬間だったと思う。
元々彼女の活動へのモチベーションは皆に喜んでもらいたい、というものが大きく*4、そしてこの曲君の花を祈ろうはとてもメッセージ性が強い曲で、誰かの為と言う点では、まさにそれを体現した曲であるように思う。
また、「どんな時も隣にいるよ」「いつかまた会える日が来るから」と歌うこの曲をアンコールに持ってきたところに今回のライブに向けた彼女の想いも感じ取れた。
そんな曲中で、観客を楽しませたい思いであらゆるサプライズを仕組み、"今出来る精一杯"で挑んだ今回のツアーの終盤、それをお返しするように仕組まれたファンからのサプライズ。恩を返して、返されて。あぁ、なんて美しいんだろう。私はその輪にはいなかったが、声を出せない中で繋いだ声優とファンのキャッチボールにとても感動した。
「It's blooming your heart その蕾信じて どんな時も隣にいるよ いつかまた会える日が来るから」
ファンは彼女を、彼女はファンを信じて、約束と再会を繰り返しながら育てた蕾は、雨に耐えながら、今ひとつの鮮やかな花を咲かせたのだ。
そんなファンとの絆──約束と再会の曲。本公演でこの曲は特別な曲になったように思う。

MC6

そしてここから彼女の想いがボロボロと溢れ出す。そこで彼女が口にしたのはライブへの不安だった。
初めてのライブ、ただでさえ多くのプレッシャーが掛かる中で、忙しくて十分にリハーサルも出来ず、更にコロナの影響により、多くの制限が掛けられた。そんな中でも、なんとか観客を楽しませたい。そんな思いで挑んだ今回のライブは、確かにそんな彼女の思いを節々に感じられるものだった。しかしそれはある種、不安の裏返しのようなものだったのだと思う。それ故に保守的な内容に感じられてしまっていたのかもしれない。
彼女が漏らした不安から、ようやく等身大の彼女の言葉が聞けたような気がした。そしてその言葉を引き出したのは、不安に覆われた彼女の殻を壊したのは、他でもないファンの存在である。
それぞれが色々な思いを抱えながら迎えた今回の1stライブツアー、厳しい状況の中でも、ファン、運営、そして彼女自身が"今出来る精一杯"でそれに立ち向かい、支え合いながらここまで駆け抜けてきた。
そんなライブ千秋楽、最後にこんな気持ちで終われるとは思ってなかった、皆さんのおかげで楽しかったと言って終われそうです、今日の光景は一生忘れられないんだろうなぁ、と。そんな溢れんばかりの想いを語る彼女の表情はどことなく晴れやかで。あぁ、ようやく、彼女達の想いは報われたんだな、とそんなことを思った。

EN2.Fly-High-Five!

ライブの締めくくり、会場が一体となってフラッグを振り合う。「二度と来ない今日は一生の宝物 最高の今を楽しもうよ」と歌うこの曲は正しく今日の公演を締めくくるに相応しいと言えるだろう。
多くの不安をファンと共に乗り越え、走ってきた彼女。その先にはまるで雨上がりの空のような景色が広がっていた。
そして、この思い出を胸に彼女はまた歩いていくのだろう。
"雲ひとつない空へ"──大団円の中、楽しかったー!という一言でライブは幕を閉じた。

【追記】総括──ライブテーマ「Colorful Closet」について

書き忘れていたことと、書いておきたいことが出てきたので総括として追記する。

今回のライブタイトルである「Colorful Closet」についてだが、これは「色々な鬼頭明里を表現する」ことを大きなテーマとしていることは最早言うまでもないだろう。全7回に渡る衣装替えを行いながら、キャラソン、カバー曲を含んだ種々折々の曲達を様々な歌声で歌い上げる。ジェットコースターのように起伏の激しいセットリストを難無くこなしていく姿からは、声色を器用に使い分ける彼女の強みが十分に感じられた。また、生配信の実施、入場特典、写真撮影タイム、お見送り等と言ったライブに付加価値を付けるような仕掛けも多く用意されており、まさに彼女の「カラフルな願い事」が体現され、それを叶えていくような、そんなライブだったように思う。
そして、そんな彼女の「カラフルな願い事」の根底には「みんなを喜ばせたい」という強い想いがあるのだと私は感じている。
今回のライブでは予期せずして彼女の様々な表情、感情が見られた。
厳しい状況下での1stライブ、彼女の中に様々な想いが巡ったであろうことは想像に容易い。しかしそこは天下の鬼頭明里だ。堂々たる活躍、実績、実力。今やテレビで見る機会も少なくない。そんな彼女は多くのプレッシャーが掛かる中でも、感情を表に出すことなく、いつもどこか余裕そうな表情を浮かべながら、乗り越えていく。そんなイメージがあった。 そんな彼女のことだ。今回のライブもきっと涼しい顔で乗り越えてしまえるんじゃないか。そう思っていた。
しかし当日の彼女を見て直ぐに私の考えは甘かったのだと気付かされた。ステージに現れた彼女はどうしようもなく緊張した表情を浮かべていたのである。
ライブへの不安、やり切れない悔しさ、それでもみんなを喜ばせたいという想い。彼女が必死に表現した「カラフルな願い事」からは、そんな様々な想いを感じ取ることが出来た。そして、最後にはそんな彼女の想いが涙と共に溢れ出し、等身大の姿を見ることが出来た。これは結果的にではあるが、不安も悔しさも涙も、このライブには不可欠な「色」となって輝いていたのかなと、私は思う。

様々な想いを抱えながらも、今出来る精一杯で「カラフルな願い事」を表現し、最後にはその想いが花開き、雲ひとつない空へと向かっていく──そんな「Colorful Closet」だった。

なんてことを書いてるうちにメモリアルな日に突入してしまった。 鬼頭明里さん、アーティストデビュー1周年&誕生日おめでとうございます。

最後に

いや〜良い1stライブだった…厳しい状況下で彼女の"今出来る精一杯"を披露してくれたこと、そして多くのプレッシャーの中、ファンと共に一歩前に進めた今回のライブは非常に価値のあるものだったように思う。これからの彼女の活躍にますます期待が高まるような、そんなライブだった。 また、今回は多くの制限があり、万全とは言えない状態でのライブだった為、彼女自身悔しい思いも沢山あったことと思う。いつかコロナが落ち着いた際には、万全の状態で思いっ切りライブをして欲しい。その時に、このライブを経た彼女がどんなライブを見せてくれるのか、私はそれが楽しみでならない。次のライブこそは現地に足を運びたいものである。
少し個人的な話をすると、私自身ご時世的なこともあって、声優関連の何かを見る、ということからかなり離れてしまっていて、オンラインではあるにしろかなり久々の声優ライブでどうなることやらという感じだったのだが、結局めちゃくちゃ感情になって終わってしまった。これがライブの良さなんだよな…と改めて思わされたし、不安から一歩前に進んだ彼女の姿に大きな力を貰えたような、そんな気持ちになっている。
私は鬼頭明里さんを熱心に応援してる人ではないのだが、それでも心震わせるものが確かにあった素晴らしいライブだった。ホンマ、ありがとうな…
いつか、コロナ禍が落ち着いたら、またイベントに行こうかな、そんな風に思えた在宅オタクの感想でした。

終わり。

2019年

2019年も残り数日、普段は中々ブログを更新しないオタク達がまるで年末調整のように今年一年を振り返りブログを更新し始めたり、女性声優が結婚報告をし始める季節となりましたが、皆様は如何お過ごしでしょうか?(季節の挨拶)
という訳で私も2019年の振り返り、総括を書いていこうと思います。

アニメ

正直なところ、全然アニメを見ていない。人間にはアニメを見る力"アニメ力"がMPのようにそれぞれ授けられているのだが、どうやら私は元々アニメ力の個体値が低いタイプのポケモンらしい。アニメ力は経験値と共に成長していくが、個体値が低いとすぐにMP切れを起こしてしまう為、ステータスの上昇が難しい。結果、今年も1クールに2〜4本が限界だった。

しかし、見ていないと言っても数本は見ているのがオタクの性というものである。

1〜3月

・私に天使が舞い降りた!

星野ひなた役で長江里加さん出演していることがきっかけで視聴。2018年12月の先行上映会に参加していたということもあり、一際期待していた作品だった。

一見、人見知りの大学生と天使的に可愛い小学生によるほのぼの日常系アニメかのように思えるのだが、それだけでは終わらないのがこの作品の恐ろしいところだ。実はこの作品の原作は百合姫で連載されており、回を追っていくと、彼女達の日常の随所に隠された幼少期の無自覚で確立されていない不安定な感情、即ち"巨大感情"というやつが見えてくる。それを女対女で、尚且つセクシュアリティが確立されていない小学生で描いている、恐怖のアニメーションがこの「私に天使が舞い降りた!」なのだ(違います)。この見方が正しいかはさておき、こういった要素が個人的に刺さった。
ほんわかとした日常やキャラクターの可愛さ、コメディ的な作品性を前面に押し出しつつも、そこに隠されたビターな感情、百合的な要素がスパイスとなって楽しめるなんとも見応えのある作品だった。

また、上でも書いたが長江里加さんの主演作でもあり、作品の人気や本人の役柄も踏まえると代表作とも呼べる作品となった。この作品で彼女のことを知ったオタクも多いのではないだろうか。
本人もオーディション時の話として、一番やりたいキャラだったことや演技に対する自信を語っており、実際見事なまでのハマり役だった。 そうやって掴んだキャラクターがアニメを経て視聴者に支持されること、これがとても意味のあることで、貴重な経験であると同時に、彼女の自信にも繋がったのではないかと思う。

加えて、OP、EDは本作のメインキャラクター5人でのユニット「わたてん☆5」が担当しており、初めてのMV撮影や、ライブ出演などもあり、声優オタクとしても非常に楽しめた思い出深い作品である。

ちなみに私は姫坂乃愛ちゃんが好きです。お気に入りは9話。絶対見た方が良いらしいね。

かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜

実写化も果たした大人気ラブコメのアニメ一期。
藤原千花(CV.小原好美さん)の良さ。3話のED「チカっとチカ千花っ♡」が大萌。

・revisions リヴィジョンズ

日岡なつみさんが出演しているということで見た。が、余り記憶に残っていない。

4〜6月

鬼滅の刃(2クール)

神。神アニメです。めちゃくちゃ面白い。大好きな作品。
原作ではワニ先生の絵のタッチもあって若干読み難いところもあるのかなぁと思ってたのが、神作画によって補われた。呼吸のエフェクト良過ぎ。演出良過ぎ。花江夏樹さんの演技良過ぎ。あとアニオリも原作の補完として機能してて素晴らしかった。
ただ、1クール目の13話などはあからさまな尺伸ばしはとても気になった。
是非原作を読みましょう。映画も楽しみです。

・ひとりぼっちの〇〇生活

三ツ星カラーズのカツヲ先生が原作ということで視聴。
一里ぼっち、砂尾なこ、本庄アル、ソトカ・ラキター といったネーミングで一通り笑ったが、結果本庄アルちゃんの記憶しか残ってない。CV.鬼頭明里さんの萌力は一体なんなんだよ。
実は長江さんも山田花子役で出演しており、小原好美さんとのあそあそ以来の共演で嬉しかったのを覚えてる。

ぼくたちは勉強ができない

現在のジャンプラブコメのアニメ一期。
原作話数を飛ばしたり時系列を変えたりというのが凄く気になったが、コメディの要素はとても面白く描かれていた印象。ぼく勉のコメディはラブコメのベタベタな展開が多くとても好みなのでその点は良かったのだが、縦軸である"できない"を"できる"にする物語としては原作カットが多く見られたのは残念だった。

ちなみに私は古橋文乃推しです。絶対に負けたくない。何卒。

7〜9月

・まちカドまぞく

まちカドまぞく、良いアニメだったな……
魔族と魔法少女という隔絶された枠組みの中での2人の境遇、出会い、そこから宿敵関係として関わっていきながら深まり、変化していく2人の関係性…原作リスペクトのとても丁寧な仕上がりのアニメだった。アニオリも随所にあったがやはり印象的だったのは変身バンク。これが良い。まちカドまぞくのサントラはとても気に入ってて、変身バンクのBGMは今でも起床のアラームで使っています。(何報)

また、掛け合いの面白さやテンポ感でしっかり笑いを取れていたのも好印象。擬音を文字にしたり、それをキャラクター声で読み上げる演出がとても上手く機能していた。これに関してはキャスト陣の力もとても大きい。中でもかや告の藤原千花でも見られたような小原好美さんの"質感のあるアニメ声"が見事にハマっていた。あと高橋未奈美さんの演技がめちゃくちゃ面白い(良い)。

これは少し本編とは逸れるが、各話のアフレコレポートや、ミニドラマなどがSNSなどで多く出ていたこと、原作の伊藤いずも先生もOPEDの作詞を担当するなど精力的にアニメを盛り上げていたこともとても印象的でそういった面でも熱量を持ったとても恵まれたアニメ化だったように思う。

からかい上手の高木さん2

超人気ラブコメその2。昨今のラブコメ業界に流れる単一ラブコメブームメントの先駆けとなった作品なのではないかと個人的に思っている。
原作では時系列が錯綜している感があるのだが、アニメでは時系列を上手く整えつつ、各話毎にキーワードを作ることで話数単位で楽しめる構成になっていたのがとても良かった。また7話の林間学校、最終話の夏祭りは完全オリジナルの内容になっており、「手を繋ぐ」という二期のテーマのクライマックスとして抜群に機能していた。

・Re:ステージ! ドリームデイズ♪

今最も勢いがあるといって差し支えない2次元アイドルコンテンツ「Re:ステージ!」が悲願のアニメ化。
以前から何度かライブにも足を運んでいたコンテンツなので感慨深いものである。
正直なところアニメ化をするにあたって、余り期待していなかったのが本音なのだが、想像を遥かに上回る出来だった。
リステの根幹にあるReの物語。もう一度夢を見ること、自分の気持ちと向き合うことをテーマにした非常にメッセージ性の強い作品だった。
また、この作品は以前より楽曲が強いコンテンツとして有名なのだが、アニメではこの楽曲達が効果的に使われており、エモーショナルな演出として機能していた。

10〜12月

ハイスコアガールII

90年代アーケードラブコメディの大傑作が遂に完結。
大野vs日高、大野vs春雄の天王山といった因縁のゲーム対決の決着。そして恋の決着。アーケードラブコメディの名に偽りなしのゲームに心を動かされた登場人物達が送る青春の集大成として文句なしの二期だった。

ハイスコは絵が独特なので手を付けにくい印象がある人も多いかと思うが、アーケードゲームが好きな人は勿論、ラブコメ好きには絶対見てもらいたい作品である。

日高小春………………俺は……………………………………

ぼくたちは勉強ができない

前述した「ぼくたちは勉強ができない」2シーズン目である(二期なのか分割2クールなのかよく分かっていない)。
1シーズンと変わらずコメディ強めの構成かつ原作カットが多くあったが、後半では原作の中でも屈指のエピソード、古橋文乃の長編である最愛の星編が放送されとても嬉しかった。反面、この長編シリーズは各キャラの「できない」を一つ乗り越える物語、いわば超重要回である為、伏線やキャラクターの心理描写を原作カットにより幾つか飛ばしてしまったのが悔やまれる。最終回では原作のストーリーすら超えてアニメでの完結を描いており、これがアニメオリジナルなのか、はたまた原作由来の完結なのか非常に気になるところではある。

・超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!

日岡なつみさんが猿飛忍役で出演されていたので視聴。
なろう系異世界転生もののテンプレ設定なのになろう系ではないらしい。突っ込みどころ満載ではあったが、何も考えずに視聴出来る上で書いた「アニメ力」の消費が非常に少ないタイプの脳死アニメで無事完走。
テンプレ展開を絶対に外さなかったり、意味不明のお色気シーンが多く、最後まで我々の期待を裏切らなかった点は評価出来るだろう。なんだかんだ言って毎週楽しみに見てしまっていた。

猿飛忍に関しては温泉むすめの登別綾瀬との連続性も感じられて良かったと思う。

・星合の空

ソフトテニスを軸に爽やかな青春劇を描きつつ、裏では毒親たちによる地獄のような家庭環境を描いた2019年最大の鬱病アニメーション。

子供達を縛り逃げることの出来ない家庭環境と、そこから一時的に解放される為の居場所・抵抗として部活・テニス場。その心の拠り所を作り、守っていく少年少女達の姿に心がめちゃくちゃになってしまった。しかし、個人的にかなり好みのストーリーだった為、鬱病になりながらも完走した。


視聴した本数こそ少ないものの、今年は各クールに好みの作品が数本あり、割と充実していたようにも思う。この中から敢えて挙げるとするなら、わたてん、鬼滅、まちカド、リステ、ハイスコあたりだろうか。 ともあれ、来年こそはアニメ力を付けていきたい所存だ。

楽曲

一応コンテンツ、アーティスト被りなしを意識して全10曲を選曲した。そんなに沢山曲を聴いていた訳ではないので浅いと思う。

・刀身をやさしくタップ♡ / SAMONJI[江雪左文字 (CV.佐藤亜美菜)、小夜左文字 (CV.秦佐和子)、義元左文字 (CV.篠田みなみ)]

作詞:やしきん 作曲:田中秀和(MONACA)

刀身をやさしくタップ♡

刀身をやさしくタップ♡

だからポフポフされたいの
あたたかさにふれさせて

スマホアプリ「天華百剣 -斬-」より。

刀身をやさしくタップ♡した方が良いらしいね。
オタク大好き田中秀和。特有の同じメロを繰り返しながらコードを変えるやつで秀和みを感じられる。重めのキックとキレの良いカッティングが気持ち良く、異常な中毒性を持った曲。サビで唐突に入るヴォン!(多分ワブルベース)は恐らく刀身をタップする音を表現してるんじゃないかと思うが、刀身をタップする音がワブルベースなの冷静に意味不明だな。というかそもそも唐突にワブルベースが入ってくるのも訳が分からないが、最高なのでOK。
上に書いた歌詞は秦佐和子さんの歌唱担当なのだが(多分)、ここの歌い方がとても良いので是非聴いてみてほしい。続く2番では篠田みなみさんが猛威を降るってくるので視聴の際には注意が必要である。(?) 堂々の2019年トップオタクソングと言って良いだろう。とにかく最高。今すぐ聴け。刀身をやさしくタップ♡しろ。

・シュガーコート・ドリーム / 白咲花 (CV.指出毬亜)

作詞:5u5h1 作曲:5u5h1

シュガーコート・ドリーム

シュガーコート・ドリーム

キャラメル色の夕暮れ
もうすぐで魔法がとけてしまうから
ちょっとだけ素直に…
まだまだ足りないの
このシュガーコート・ドリーム

先に書いたアニメ「私に天使が舞い降りた!」のキャラクターソング。

ど直球のKawaii Future Bassに百合の要素を掛け合わせた一曲。小学生にKawaii Future Bassを歌わせるのナニモンだよ…とはなるのだが、このKawaii Future Bassと白咲花のキャラクター性、ひいては「私に天使が舞い降りた!」の作品性との相性がとても良く、 ちょっぴりビターな感情を含んだ可愛さを絶妙に表現出来ている。

歌詞には、白咲花ちゃんの大きな特徴であるお菓子が大好きというキャラクター性を軸に、1番ではみやことの出会いによって変化した世界、2番ではみやこへの想い、終盤にはその世界や想いへの不安や願いが込められている。その世界を「夢・魔法」とし、それらによって花の想い、不安、願いが覆われていることを「シュガーコート・ドリーム」と表現した歌詞には脱帽せざるを得ない。
指出毬亜さんの歌唱も見事。1番Bと2番Bの歌い方の変化は聴きどころだろう。

音楽性の高さもさることながら、キャラクターソングとしても非常に完成度が高い一曲となっている。

追加だが、この楽曲が収録されたキャラクターソングアルバム「天使のうたごえ」はどれも素晴らしい曲ばかりなので是非聴いて頂きたい。(アタシ♡カワイイ♡宣言!!!とめちゃくちゃ悩みました。)

・O-Ku-Ri-Mo-No Sunday! / 久川凪 (CV.立花日菜)、久川颯 (CV.長江里加)

作詞:烏屋 茶房 作曲:烏屋 茶房, 篠崎 あやと

O-Ku-Ri-Mo-No Sunday! (M@STER VERSION)

O-Ku-Ri-Mo-No Sunday! (M@STER VERSION)

  • 久川凪 (CV: 立花日菜) & 久川颯 (CV: 長江里加)
  • アニメ
  • ¥255

Tig-Tig-Tig キミを捕まえて
Hug-Hug-Hug だけどハグしない
…なんで? (say,Why?)
裏腹Color 二人はTig-Hug-Oxymoron(Hay!)

スマホアプリ「アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ」より新アイドル久川颯、久川凪の2人によるユニット「miroir」による一曲。

キャッチーなメロディや軽快なカッティングギターとは対照的に重めの低音が用いられたり、リズムやメロディにも変化が多く見られ、飽きがない。
そのメロディに乗せられる歌詞には、アナグラムダブルミーニング、対比表現に加え、この曲の大きなテーマであるOxymoron(撞着語法)などが大量に使われている。それにより、久川姉妹の「正反対な双子の姉妹」という不思議なキャラクター性、チグハグさを表現しており、なんとも難解で遊び心に溢れていながらも、2人のパーソナルを描いたデビュー曲としても文句なしの一曲になっている。

詳しくは以前考察を書いたのでこちらを読んでください。

k-9-ah.hatenablog.com

・花咲キオトメ / 七花少女

作詞:カナボシ☆ツクモ 作曲:MICON STUDIO

花咲キオトメ

花咲キオトメ

  • 七花少女
  • アニメ
  • ¥255

なのにほらほらほら
動き出した恋を祝って
世界中の花が君の番と
伝えてくるの

スマホアプリ「Tokyo 7th シスターズ」よりナナスタ発の7人組ユニット「七花少女」の待望のデビューシングル。

ベースラインがえっち。キラキラした女の子に憧れるネガティブな女の子が突然の告白を前に浮かれたり悩んだりしながら一歩踏み出す様をユニットのテーマでもある春を待つ小さな蕾の開花宣言と重ね、新たな世界に踏み出す七花少女の始まりや等身大な少女性を表現している歌詞が逸材。

サビの韻の踏み方も天才的。「花びらひら("Ha" nabira "Hi" ra)→春の風に("Ha" runokaze "Ni" )」「ずっと("Zu" "tto")→冬の間夢見たような("Fu" yu "No" aida)→夢見たような("Yu" memita "Yo" na)→シチュエイションなの(shi "Chu"ei "Sho" nnano)」といったようにとても可愛らしく気持ちの良い音が並んでいる。「花☆咲☆咲」なんて母音全部同じですからね。サビの透き通るように鮮やかなメロディと相まって気持ち良すぎて絶頂してしまうこと間違いなしだろう。

・Never Give it up‼︎ / study

作詞:川田まみ 作曲:井内舞子

Never Give It Up!!

Never Give It Up!!

  • Study
  • アニメ
  • ¥255

一つ二つ… 知るって事は
目をそらさないってことで
心、揺れる 本当の気持ち
ちょっとわかってきた?…だけど!

アニメ「ぼくたちは勉強ができない」のEDテーマ。 アニメのメインキャスト3人(後に5人になるが)のユニット「Study」が歌唱。

ぼく勉の二軸である勉強軸と恋愛軸を掛け合わせた歌詞がgood。「足して引いて、押してみようか」「まだ上手に測れないNとSの極性も今まさに揺れる心情も」なんかはまさにぼく勉らしい歌詞となっている。

ABパートのFuture Bassっぽいところも良い。あと個人的に台詞パートのある曲がオタク〜〜!!!みたいな感じで好きなので好き。解き方っていわば性格!の白石晴香さん…古橋文乃ちゃん……萌え。

これはどうでも良い話だが、ぼく勉はギャクによる落としで1話が完結することが多くて、その流れからこの曲が掛かってくるのが面白過ぎて毎週笑い転げてた記憶がある。ギャグか?

・Love Addiction / アルストロメリア

作詞:鈴木静那 作曲:家原正樹・Jam9

Love Addiction

Love Addiction

感じてるのは Love Emotion
なんだかとっても Heavenly
まるで アンビバージュ アンビバージュ
最初のひと口で (もう)
もう (もう) とろけちゃいそうなんだよ

プラウザゲーム「アイドルマスターシャイニーカラーズ」よりユニット「アルストロメリア」から一曲。

アルストロメリア(ユニット名)と言えば、2018年に爆誕した最強のオタクソング「アルストロメリア(楽曲名)」が一世を風靡したことで有名であり、「今後アルストロメリア(ユニット名)はアルストロメリア(楽曲名)に匹敵する曲を生み出せるのか?」というのがひとつ注目だったのだが、この「Love Addiction」でアルストロメリア(ユニット名)は楽曲派ユニットであることを見事に証明してみせた。

アルストロメリア(ユニット名)の武器(?)である渋谷系的な音楽性を残しつつ、これまでとは少し異なったジャジーサウンドが印象的。ウォーキングベースやブラス隊が本当に良い味を出してる。これにより「ハピリリ」ではまだ早いと言っていた「大人」の雰囲気を見事に演出しており、ユニットの成長、連続性を感じられるものになっている。

ってかLove Addictionって直訳すると恋愛中毒って意味なんだよな。早く私も恋愛中毒と言えるほど誰かを愛してみたいものです。(突然の謎ポエム)(21歳童貞)(どうしてなのLove Addiction…)

・ロケット / 月坂紗由 (CV.鬼頭明里)

作詞:渡辺翔 作曲:渡辺翔

ロケット

ロケット

星並べたら迷いなく
光が大きい方角へ
中越し回した手は淡い軌道上

アニメ「Re:ステージ! ドリームデイズ♪」のキャラクターソング。

これ本当に悩みました。本当に。リステージ、良い曲が多すぎて選ぶの難しすぎませんか?

アニメ化という大きなイベントを迎え、大躍進の一年だった今年のリステージ。コンテンツの大きな挑戦としてソロ曲が出たのも今年からだったか。 そんな今年のリステージから敢えて1つ選ぶならこの曲。月坂紗由ちゃんのソロ曲だ。

この曲、本当に歌詞が良いんですよね。まず上に書いた詩を読んで欲しい。読んだか?ヤバくないか?
互いの温度を感じられるほど側にいながらも、背中越しに回した手が留まってしまっている、そんな2人の儚く"淡い"距離感を「背中越し回した手は淡い軌道上」と表現している(多分)の、美しい日本語過ぎる。天才か?
2番の「月目覚めたら明るくて自然で優しい引力で気持ちごと君のもとへ素直に向かう」だが、明るくて優しい君の引力に気持ちごと惹かれてしまう月坂紗由とかいう女、マジでなんなんだよ。

このようなロマンティックで美しい日本語たちが曲中に大量に叩き込まれており、それらをポエムが趣味の紗由がストリングスが気持ち良いメロディに乗せて、情緒たっぷりに美しく歌い上げる、そんな一曲だ。

月坂駄ポエム紗由は渡辺翔さんにより死んだ。

・群青インフィニティ / 東山奈央

作詞:東山奈央 作曲:東山奈央

群青インフィニティ

群青インフィニティ

やっと出会えた 今日の空
色も褪せない微熱
僕らの時代に 背を向ける暇はない
放て 群青を!

世紀のアルティメット声優アーティスト東山奈央さんの2ndアルバムのリード曲。
今でも度々話題にあがる1stライブと1stアルバムから1年、満を辞して発売された2枚目のアルバム。1stアルバムはどうしてもメモリアルな1枚になってしまうだけに、2ndアルバムは如何に…という感じだったのだが、そこはやはりアルティメット声優アーティストというところ。
中でもこのリード曲「群青インフィニティ」はロック調のシンプルな楽曲の強さもさることながら、1stを経て歌う背中を押す歌としてのメッセージ性、力強さがダイレクトに伝わってくる一曲となっており、ライブでも一際盛り上がる。ラスサビの「何度も」を何度も繰り返すところは必聴。

そして、驚くべきはこの曲が東山奈央さん本人により作詞作曲されていることである。東山奈央さんが多才であることは理解していたつもりだが、ここまで来ると訳が分からない。全てを兼ね備えたアルティメット声優アーティストの渾身の一曲、それがこの「群青インフィニティ」だ。贔屓目一切なしにライブもめちゃくちゃに良いので是非一度ライブに足を運んでみてほしい。

・はじめてのかくめい / DIALOGUE+

作詞:田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:田中秀和(MONACA)

はじめてのかくめい!

はじめてのかくめい!

  • DIALOGUE+
  • アニメ
  • ¥255

やるじゃん!やるじゃん!やるじゃん!
僕たちありえちゃったベイベー
不可能は無し 絶望も無し
って話でいいんだよな!そうだよな!

アニメ「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」のOPテーマ。

大事なことなのでもう一度言います。アニメ「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」のOPテーマです。2度言った。意味はありません。

この曲説明する必要あるのかなぁ…まあ一応書きますが…。
オタクが2億人くらい言ってるかと思うが、オタク大好き田淵智也さんとオタク大好き田中秀和さんというドリームタッグによる一曲。これが神曲にならない訳がない。
田淵智也さんのキャッチーなメロディ、独特な歌詞が超余裕の世界観、DIALOGUE+の勢いにマッチしていて良い。青い声優と強い作曲陣で売り出す昨今の2次元アイドルコンテンツ業界の在り方をひとつ証明してみせたのがこの「はじめてのかくめい」だ(違います)。

正直この曲を入れたくはなかったのだが、楽曲の良さには敵わない…2019年のアンセムと言っても過言ではないだろう。

・よいまちカンターレ / コーロまちカド

作詞:伊藤いづも 作曲:藤本功一

よいまちカンターレ

よいまちカンターレ

テンパったらテンペスト成敗
残心?? また投げちゃうぞエンジョイ
とりどり咲いた色 キャンバス駆け抜け

アニメ「まちカドまぞく」のEDテーマ。

OPテーマの「町かどタンジェント」と悩みましたがこっちかなぁ。 OPED共に作詞は原作者である伊藤いづも先生が担当している。その為、これ以上なく作品に寄り添った歌詞になっているのは勿論のこと、「窮鼠でキャット噛んで」「テンパったらテンペスト成敗」などワードセンスが非常に高くて良い。もしかして伊藤いづも先生は天才なのか……?アニメ化でただでさえお忙しい中、作詞までしてくれるの、冷静に信じられない話なので本当に良い作品だなぁと思う。

イントロから暴れ回るスラップベースはオタク好みのもの。破茶滅茶なメロディに多動になること間違いなし。

という訳で以上が2019年の10選となります。
いや〜今年も沢山のオタクソングに恵まれた年だったな〜というのが感想。にしても相変わらず視野が狭い選曲となってしまったのは反省である。これ昨年も同じこと書いたな。

イベント

某クソンターノートによれば2018年から比べてイベント参加数が60ほど減っていたらしい。びっくり。 以下から記憶に残ったイベントを書いていく。

・1/27(日) 近藤玲奈 誕生祭「Last Teen LIVE ~れいれいワールド~」

20歳になる近藤玲奈さんの記念すべき生誕祭イベント。
2019年が始まって早々オンオオになってしまった2019年最大の大感情イベントである。
近藤玲奈さんの希望で開催されたのはキャラソンライブによる生誕祭。キャラソンを歌うことでこれまで演じてきた作品を振り返り、彼女自身のこれまでを丁寧に紡いでいきながら、その経験を通して自分自身を好きになれたこと、たくさんの幸せを貰ったこと、声優という仕事が大好きだということ、最後にはそれを踏まえた上での力強い未来への決意、肯定を感情いっぱいに語る近藤玲奈さんの姿に感動せざるを得なかった。
生誕祭イベントをキャラソンライブにするのめちゃくちゃ良いな…と思っていたらこれも近藤玲奈さんがふと漏らしたキャラソンライブがしたいという細やかな夢をマネージャーが聞き、それを叶えたというエピソードがありますます感動してしまった。

これは余談だが、知り合いのオタクからの誘いで「オタクの好きな声優でも見に行くかw」くらいのノリで参加したイベントであり、そのイベントで感動させられてしまっただけに、声優オタクとして色々考えさせられるものになった。

・3/9(土) キャラソンJAPAN 名古屋公演

日岡なつみさんが出演されるということで参加した。その名の通り声優がキャラソンを歌うライブという、声優オタクなら願ってもないイベントである。
久しぶりの三ツ星カラーズのキャラソンや、STORIAのソロVerなど非常に貴重な楽曲を回収することが出来たのもそうだが、キャラクター毎に歌い分ける姿にキャラクターソングでの歌唱に秀でる日岡さんの非凡な才能を存分に感じることが出来た。くまみこ武装少女マキャヴェリズム、HSS!、ときめきアイドルなど、他にも聴きたい曲は沢山あり惜しい気持ちが無い訳では無かったが、改めてキャラソンに恵まれているなぁみたいなことを思った。日岡なつみさんに勝てない。

・3/30(土) SPECIAL YUKEMURI FESTA in 箱根(小田原)

温泉むすめの地方イベントで箱根へ。
ロマンスカーの貸切やお渡し会、ライブ、宴会、お泊まりプランと言ったように温泉むすめの名に恥じない内容になっていた(殿様プランとかいうのもあった)。
当然、私は長江里加さんが目当てで参加したのだが、声優オタクとしても非常に満足度の高いイベントだった。
というのも箱根温泉の温泉むすめを担当している長江さんはこのイベントで初めての座長、リーダーを経験したのである。リーダーの大役、箱根の代表、はたまたSPRiNGSの代表として、また初めてのメンバーでのイベントでもあり、彼女にしては珍しく不安を吐露していたのが印象的だった。ライブ終盤、そんな彼女の口から語られるメンバーへの感謝。そしてそれを受けた他メンバーから語られるリーダーへの感謝を聞いて、思わずオンオオになってしまった。

長く続いたラジオや、わたてんが終わった後のイベントであった為、今思えばこのイベントがひとつ一区切りだったのかもしれない。

・4/13(土) 4/20(土) Re:ステージ! 1stTOUR INTERSECT 仙台 名古屋

リステージの初めてのツアーライブ。私はトロワアンジュが出演している仙台とテトラルキアが出演している名古屋に参加した。
「INTERSECT」というライブテーマの通り、ユニット曲をシャッフルメンバーで歌唱していた。仙台のチームバオバブによる「ク・ルリラビー」や名古屋の岩橋さんによる「Fearless girl」などはベストアクトであり、リステージの新たな可能性を掲示したライブだった。
新曲はオリジナルメンバーでの歌唱だったのだが、中でも仙台の「Silent Dystopia」はこの日の為に作ったらしい黒衣装での歌唱であったこともあり、とても印象に残っている。日岡さんが自分のユニットの客観視を語っており、本質を突いていてやるじゃん!(はじめてのかくめい)となった。

・9/3(火)、9/4(水) THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Comical Pops!(千葉公演) 両日

久川颯役長江里加さんが出演されるということで無事今年もアイマス現場に参ることとなった。 このライブはなんといってもmiroirの初舞台となるライブであり、忘れることの出来ないイベントのひとつである。
「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」の披露は勿論のこと、メロウイエローとの「Kawaii make MY day!」や城ヶ崎姉妹との「TOKIMEKIエスカレート」「DOKIDOKIリズム」なども披露され、そのどれもがmiroirのエピソードやキャラクター性を感じられる選曲になっており、大量に解釈一致を起こし、恵まれた初舞台で本当に嬉しくて仕方なかったしmiroirのファンで本当に良かった〜となった。

また、アイドルマスターのオーディションを4度受けたエピソードもあり、長江さんにとっても念願のステージであったことだろう。
そんな長江さんの堂々とし過ぎてるステージに驚きつつも、これまでの経験が彼女の自信に繋がっていることを感じられ、また、相方である立花日菜さんを始めとした他のメンバーの支えがあってあの日のステージがあったのだろうと感じた。

・9/7(土)、9/8(日) 東山奈央1st TOUR “LIVE Infinity” 横浜公演 両日

2ndアルバム「群青インフィニティ」を引っ下げた東山奈央さんの初のツアー、国内千秋楽である。
1日目にはキャラソンも披露された。

圧巻のライブパフォーマンスは実際に見て感じて欲しい。激しいロックパートから、低音が響く映像とのシンクロも見られたダンスパート、感動的な紡ぎからのエモーショナルなバラードパート。そして笑顔のアンコール。歌を歌えば圧倒的な歌唱力で会場を破壊し、ダンスを踊ればダンサーさながらのダンスで観客を魅了、更に言葉を紡げば天才的な紡ぎ力を見せる。どれも信じられないくらいにレベルが高く、正しくパーフェクト声優アーティストである。

正直1stライブを超えられないのではないか?みたいな気持ちがどうしてもあったのだが、1stから次のステージに進む東山奈央さんのアーティスト活動を感じられ、それをひっくり返された。東山奈央さんのライブの魅力が一過性のものじゃないことを確信したので、今後も定期的にライブに参加していきたいと思う。

・11/10(日) AZUSA TADOKORO SPECIAL LIVE 2019~イコール~

はぁ…田所あずささん……
誕生祭イベントと合わせて開催された初のアリーナライブとなるワンマンライブ。 タドコロック全開のロックパートに加え今回のライブでは芯の強い歌声を堪能出来るアコースティックパートがありとても良かった。
中でも「ツボミノコエ」は田所あずささんが6年前、二十歳の今日にもらったメモリアルソングであり、ここ数年披露されることの無かったこの曲を最高の舞台で歌い上げ、この曲を彼女が大切にしてくれていたことが分かり、本当に嬉しかった。
また、アンコールではライブの度に期待していた「POSITIVE SHAKING」がMV準拠のジャージ姿で歌われ、顔面も動きも破茶滅茶になった。

・11/17(日) Re:ステージ!PRISM☆LIVE!3rd STAGE~Reflection~

アニメ化を終えたリステージの集大成となる3rdライブ。MCがほとんど無いライブ構成に過呼吸になりながらも全身で楽しめたこと、また、アニメ映像を流すなど新たなリステージも感じることが出来た思い出深いライブだった。
詳しくはブログで
k-9-ah.hatenablog.com
以上となる。 今年はかなりイベントを絞った。モチベーションの問題もあるが、自分なりにイベント選択をしてときには気持ち良くなれたので満足である。 来年も維持したい。

好きな声優の話

長江里加さん

2019年は彼女にとって飛躍の年だったことは間違い無い。わたてんの星野ひなた役やシンデレラの久川颯役など、大きな役を掴み、その名前は多くの人に知れ渡ったことだろう。
また、そこに追随するように不安を吐露する場面もありながらもそれを乗り越えたSYF箱根や、わたてんやシンデレラのオーディションなどのエピソードから、これまでの経験が自信となり、ひとつ形となって身を結んだ、そんな年だったように思う。
長く続いた定期ラジオの終了があり、下半期はアニメ出演がほぼ無かったので寂しさもあったのだが、この辺りは来年に期待したいところである。

高田憂希さん

ごめんなさい。全然イベントに行っていません…。
今年は箸休め。来年が勝負だと思っているので、来るべき日に備えておきたい所存だ。
今年はというと彼女が今後どういう道に進んでいくのか、そういうことを考えさせられる1年だった。

日岡なつみさん

本人も言っていたが、今年はライブパフォーマンスを見る機会が多く、その度に日岡なつみさんに勝てないと思わされ、2017年に言っていたマルチな才能を伸ばしたいという言葉が実現してきているのかなと思う。
来年三ツ星カラーズにも動きがありそうなのでまずはそこ、そしていつしかは……と期待している。

総括

全体的にオタク活動へのモチベーションの低下を感じる1年だった。その中には体力的なものも多く、夜行バスに乗るのが本格的にキツくなってきて時の流れを感じている。悲しいね……。しかしながら、やはり良いものは良く、オタクはやめられそうにも無い。月並みだが自分のペースで来年もオタクをしていきたいと思う。

という訳で2019年もお疲れ様でした!
最後に、イベントやツイッターで仲良くしてくれた皆様、本当にお世話になりました!2020年こそは健常者になりましょう。
それでは、2020年も良きオタクライフを!

おわり。

Re:ステージが魅せる未来へのReflection──【リステ3rdライブ・Re:ステージ!PRISM☆LIVE!3rd STAGE~Reflection~】感想

はじめに

2019年11月17日、大宮ソニックシティにて開催された「Re:ステージ!PRISM☆LIVE!3rd STAGE~Reflection~」に昼夜参加してきた。

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今年の7月から始まったTVアニメ「Re:ステージ!ドリームデイズ♪」。コンテンツとしてひとつの集大成であったアニメが終わりを迎え、勢いそのままに開催されたのが今回の「Re:ステージ!PRISM☆LIVE!3rd STAGE~Reflection~」だ。

今回の3rdライブ、MCがアンコールまで一切なかった。そして、驚くべきはその曲数。
時間にして1公演約2時間弱。その中で披露された楽曲数は昼29曲、夜27曲。昼夜合わせると全56曲という驚愕の曲数を叩き出し、それも、ほぼ被り無しのセトリをノンストップで駆け抜けてみせた。
また、アニメの集大成という要素も要所に散りばめられており、新たなリステージのライブを感じさせるものにもなっていた。
アニメ化を経て更に盛り上がりを見せるリステージ。
その勢いをそのまま体現するかのようなとんでもない熱量を持ったライブになっていたように思う。

以下から印象に残った曲などをセトリに沿って振り返っていこうと思う。(以下から思いの外長くなってしまったので、総括まで読み飛ばしてもらって構いません。)
セットリストはこちらから。

aniuta.co.jp

ちなみにセトリに関してだが、昼夜でほぼ被りなし、昼がアニメ曲中心、夜が既存曲中心のセットリストであることが事前に告知されていた。



昼の部

1. Don't think, スマイル!! / KiRaRe

開幕はこの曲しかないだろう。アニメのOPである「Don't think, スマイル!!」により3rdライブが開幕。
バックにはOP映像が流れており、早速アニメ後のライブという新たなリステージのライブを感じることとなった。
1番Aパートの月坂紗由ちゃんが萌えなんだよなぁ…とウンウン頷きながらアニメ映像を見てニヤついていたら無事KiRaReのステージングを見逃してしまった為、ほとんど記憶に残っていない。はしゃぎすぎてよそ見をしたり…きまぐれ…。
Cパートの「旅の途中降りるのも間違いじゃない」の鬼頭さんの歌い方がとても良かったです。ラスサビ頭に2度あるブレイクが気持ちいい。

2. Yes we are!!! / オルタンシア

続いてこちらもアニメ楽曲、映像あり。
アニメのオルタンシアを象徴するこの楽曲を「Don't think, スマイル!!」から続けてきたので、事前に告知されていたように昼はアニメ楽曲中心なんだなぁみたいなことを思った。まあ次の曲でそれは裏切られることになるのですが…。
「We Are!」「All Right!」のコールが綺麗に決まっていたので、みんなリステDD見てるんだな…と2曲目にして感じることができた。「そういつかは「二人」が「みんな」に変わるよ」という歌詞の通り、アニメによって広がったオルタンシアの世界を感じられ、この曲はここで初めて完成したのだろうと思った。

3. 境界線 / テトラルキア

3rdライブ初のなんでやねんポイント。
余りに予想外の選曲で、いや、昼はアニメ楽曲中心ちゃうんか〜〜い!と横転した。というかテトラが一曲目で境界線歌ったの初では?それはそうと境界線は神。サビの時計の針を表現したような振りが良い。あと落ちサビ、良いよね…。

4. Lumiere / トロワアンジュ

なんでやねんポイントその2。
1〜2曲目がアニメ曲だったのでアニメで披露した「エンゼルランプ 」だろうなぁという予想は2秒で消し飛び、同時にこうなるといよいよ何が来るか予想出来ないな…と覚悟し始めたのもこの辺り。
ツアーでも聴いた曲だが、ハマりが格段に上手くなっててどうした?となった。私が見てない間に急激に伸びるのは勘弁して頂きたい。びっくりしちゃうので。
どうでもいいが歌い出しの日岡なつみさんの声を聞いた瞬間に頭を抱えてしまう病気にかかっている為、未だに歌い出しの表情を一度も見たことがない説がある。円盤が出たらしっかり見させて頂きたいと思います。

5. Like the sun, Like the Moon / ステラマリス

本日の1st俊龍
1stブロックの最後、イントロの俊龍サウンドと共にステラマリスの3人がせり上がってくる演出、キマり過ぎてません?
個人的にステラマリスの1曲目はBrilliant Wingsだと勝手に予想していたので、ここでも予想を外し、この辺りから考えるのやめた。ここでもアニメ映像を流しながらの歌唱で、王者・ステラマリスの貫禄がより強化されていて完全に圧倒されてしまった。
どうでも良い話だが、開演前に「Like the 俊, Like the 龍!」とか言ってゲラゲラ笑っていたら終演後に伊藤翼さんが同様のことをおっしゃっていて無事解釈一致(?)した。こいつ、どうでもいいことしか言ってないな。

6. ミライKeyノート / 式宮舞菜,月坂紗由 (※以下からメドレーパート、1番のみ歌唱)

このミライKeyノートという曲は、リステDD序盤において最もと言っていいほど重要な一曲であり、今回のライブで一体どのような使われ方をするのかというのは個人的に注目のポイントだった。
ここで採用されたのはリステDD1話、2話で披露されたまなさゆVerのミライKeyノート。1話、2話ではKiRaReのメンバーを結びつけるきっかけとなり、また、この曲をきっかけにKiRaReの"Re"の物語が動き出した、謂わばKiRaReの始まりの曲であり、そういったストーリーを含めてメドレーの始まりとして抜群に作用していたように思う。振りもアニメと同じものになっていてあっぱれ。ただ、重要な曲だっただけにフルで聴きたかったというのが本音だったりもする。

7. ク・ルリラビー / 柊かえ&本城香澄 8. キライキライCЯY / 市杵島瑞葉&長谷川みい

ミライKeyノートから3曲続けてのデュエット曲。
この2曲、アニメの挿入歌としても使われており、アニメ中心のセトリだ…となった。ク・ルリラビーは割と不意打ちだったのでかなりデカイ声が出た。1番2番でパート担当がしっかり分けられている曲なのでショート尺だと少し物足りなく感じつつも、笑顔でフリコピを決めた。
余談ですが、2番の立花芽恵夢さんの体幹が凄いので詳しくは2ndライブのBDを見てください。

9. 惑わしラプソディ / 一条瑠夏

ここからソロ曲パートになる。
メドレーに入ってユニット曲かつアニメ楽曲が続いた為、アニメの流れを汲んだメドレーなのか?と思っていたのだが、完全に意表を突かれる形となった。この曲がここに来た時点でソロ曲が続くんだろうと察した。
正直全く予想してなかった為、驚いた記憶ばかり残っている。

※ソロ曲は今回ほぼショート尺であり、各ユニットのワンマンで聴けるだろうことが予想出来るので、今回は一部割愛します。

11. Glory Star / 岬珊瑚

岬珊瑚ちゃん、アニメで本当に人気になったよな。まあ私もその1人なのですが…。
アニメではKiRaRe(特に紗由)との掛け合いが多くあり、刺々しい言動とは裏腹にコミカルな演出によりステラマリスの中でもキャッチーで親しみやすいキャラクターとして描かれていた。最終回ではKiRaReのステージを前に席を離れようとした観客を引き止めるなど大活躍を見せ、多くのファンに愛されるキャラクターになっていたように思う。
今回のライブではそんなアニメの勢いを受けて岬珊瑚役田中あいみさんに注目していたオタクも多かったのではないだろうか。そんなこともあってかこの曲を披露してくれて嬉しかった。普段はコミカルなキャラクターだが、歌うとちゃんとステラマリスなの良過ぎるだろうがよ。アニメでも少し描かれていたが、岬珊瑚ちゃんのバックボーンを知った上で聴くGlory Starめちゃくちゃ良いんだよな。
可愛くて真っ直ぐな歌声、パフォーマンス、見事でした。曲が始まるときに正面指差すやつ最高だったな…。ウラハラギャップにクラクラするでしょ?←めっちゃした。

12. 優しい風 / 白鳥天葉

優しい風、優しい風だったな…。
これは私が個人的に日岡なつみさんが好きなだけなのだが、やっぱりフルで聴いた上でちょっとお話も聞きたかったなと思ったのは内緒。

15. ひと夜ひと夜にひとりごと / 市杵島瑞葉

この和風シティ・ポップ感、良過ぎる。無限にクネクネしていた記憶しかない。Cのラップパートが聞けなかったのは残念。

16. ガジェットはプリンセス / 柊かえ

sasakure.UKさんによるkawaii future bass、最高…。
曲自体がまずめちゃくちゃに良いんだけど、立花芽恵夢さんのダンスがとにかく凄い。ガジェットはプリンセス、絶対ダンス凄いだろうことはなんとなく理解していたのだが、立花芽恵夢さんのダンス、マジで凄かった。2ndはク・ルリラビーで度肝を抜かされ、今回はガジェットはプリンセスで再び度肝を抜かされてしまった。アウトロ辺りで少し息切れを起こしていたのが分かったのだが、その感じがまたかえっぽくて好ましい。
っていうかこの曲フルで歌えるのか?フルで見たいな…(n回目)

17. ステレオライフ / 式宮舞菜,月坂紗由

再びまなさゆVer。
舞菜が紗由に手を引かれステージに立った2話・ミライKeyノートと、紗由が舞菜に手を引かれステージに立った9話・ステレオライフはどちらも同じステージなんだよな。まなさゆVerを1度ミライKeyノートでやっていたからこそ、ここのステレオライフがグッと来るものになっていたと思うし、そんなアニメのストーリーと2人の成長を想起させるセトリ構成には脱帽せざるを得ない。
ただ、これは欲張りかもしれないが、アニメの流れを汲むならこの間にキラメキFutureが欲しかったな…あとフルで…(n回目)

18. せーので跳べって言ってんの! / 本城香澄 (※ここでメドレー終了・以下からフル尺)

せーので跳べって言ってんの!→模型!(マサイ)
めちゃくちゃ盛り上がってた、というか昼夜合わせて一番盛り上がってたかもしれない。
でもメドレーだし1番だけか〜なんて思ってたら2番に突入して横転。オリンピックにピクニック行けて良かった〜。
2番に入ったところで歓声が上がったのには笑ったが、セトリを考えた人はニヤニヤが止まらなかったことだろう。ハッピーなサプライズをありがとうございます。
厳重なレギュレーションや、ライブ後のお気持ち表明等で騒がしい最近の2次元アイドルコンテンツ業界だが、ここではそんなこと関係なし。全オタクが猿の如く飛び跳ねる。良い曲を生のパフォーマンス、生バンドで披露して、それらを受けて、声出して、飛び跳ねて、全身で楽しめるという音楽ライブ本来のプリミティブな楽しみ方が出来るというのもリステライブの魅力だと思っていて、この曲はそんなリステライブの魅力を存分に感じられた。
また、ソロ曲の最後をフル尺でかつ、盛り上がるこの曲にしたことで、流れを切ることなくメドレーパートを締めることに成功しており、見事な構成だった。

19. InFiction / ステラマリス

この曲、特にイントロアウトロが良い曲だと思っていて、それを踏まえてソロ曲からユニット曲へと繋ぐ曲としてこの曲をここに入れたのだとしたら本当に良く考えられているなぁと思う。
イントロからサビに向けて少しずつ盛り上がっていってサビでユニゾンするの、良いよね…。
これはこのライブと関係のない話ですが、ワンマンでは是非InFictionからStage of Starに繋いでください。(Q.E.D.信者) 確かここから各ユニット衣装チェンジで新衣装。衣装については言語化するのが困難なので省略しますが、今回の新衣装の中だとステラマリスが1番好きでした。

20. Silent Dystopia / トロワアンジュ

トロワアンジュの新衣装は黒を基調としたものだったので黒トロワを引っ提げたこの曲にピッタリ。
Lumiere、優しい風から一転、攻撃的なパフォーマンスに圧倒された。
前回のツアーでは圧倒され過ぎて1ミリも体を動かすことすら出来なかったので、今回はそこそこ戦えたと思う。(何と?)

ちなみにこの曲に関する考察を以前書いたので是非↓

k-9-ah.hatenablog.com


21. Ambitious Pieces / テトラルキア

すみません、全く記憶にないので割愛します。聞き込みが足りてなかったので反省です。

22. ハッピータイフーン / KiRaRe

いや〜〜〜生バンのハッピータイフーン、良………。
前回のツアーで散々見たので、フォーメーションを見た瞬間にこれハッピータイフーンだ!!!!つって騒いでた。
個人的にはこの曲に関しては小さい箱で一体になれたオルスタの方が楽しめたかな…とは思うものの、生バンドでのワウギターやベースが最高に気持ち良かった。

23. Dears /トロワアンジュ

Lumiere、Silent Dystopiaとはそこそこ戦えたが、この曲で本日も無事トロワアンジュに一生勝てないとなった。
Lumiereでも書いたが、トロワアンジュのパフォーマンスが格段に良くなってるのなんなんだ。急に伸びるのやめろって言ったよな 。 曲冒頭、センターに1人佇む日岡なつみさんの元に2人が歩み寄っていくところや、サビで後方から前方に向かって歩み寄っていくところ、Cパートで座りながら歌うところから、センターの日岡なつみさんが他2人に支えられながら立ち上がるところが印象的で、全体的に誰かが誰かに寄り添うという形の振りが多かったように思う。Dears…のテーマ「博愛」を意識したものだろうか。と思ったら「花嫁」がイメージだったらしい。マイクに花束が付いてたのも印象的だったがそれもそこからくるものだろう。
あと表情が良かった。慈愛の表情。
余談だが、歌い出しの阿部里果さんの声がデカ過ぎて、大宮から日本海まで吹き飛ばされてしまった。

24. カナリア / テトラルキア

心の声で叫べ。叫びました。
この曲、BPM300近くあるの笑っちゃうんだよな。Aパートの高速クラップ、普通に無理でしょ。曲終わりの拍手より数段早いからな。でも楽しいからやっちゃうんですよね。分かる。
ちなみに、カナリアはアニメの挿入歌としてテトラルキアの登場と共に使われた曲で、ここからラストに向けてまたアニメへと焦点を戻していくような構成になっている…はず。
ところで、アニメのカナリアの入り、テトラルキアがコントしたところに入ってくるのめちゃくちゃ面白くないですか?

25. Purple Rays / オルタンシア

同じくアニメの挿入歌としても使われた曲。第6話だったかな。アニメでPurple Raysのイントロが流れたときめちゃくちゃ嬉しかったなぁみたいなことを思い出して感情になった。
Cパートの「一瞬で世界が二人だけのステージへと変わっていく」はオルタンシアにしか歌えないよなぁ…最高な瞬間をホンマ、ありがとうな…

26. Brilliant Wings / ステラマリス

アニメ第1話、スクリーンの向こう側にて流れ、何も知らないアニメ視聴者に強烈な印象を与えたであろうこの曲、てっきり頭で歌うのかと思っていたがここだったか。
この曲はいわばアニメにおいてスクリーンの向こう側、雲の上の存在であるステラマリスの象徴であり、それをこのラストスパート、しかもKiRaReの前にぶつけてくる構成には唸らざるを得ない。スクリーンの向こう側にいたステラマリスは今私達の目の前にいて、KiRaReもまた12話を経て雲の上の存在だったステラマリスと並び立ったんだよな…
アニメ最終回ではステラマリスのステージの後にステラマリスコールが鳴り響いた(正しくはLike tee Sun, Like the Moon)けど、なかったですね。いや、本来あってはいけないのだが。アニメの客、態度が悪いな。

27. OvertuRe: / KiRaRe

となると、次はこの曲しかないわけで…。
アニメを見て今日来たオタクは絶叫だったことだろう。イントロが流れた瞬間、式宮碧音ばりに「この曲…!」となったし、開幕の手を繋いで星を作るところが完全再現されてて最高…。
アニメ映像を流しながらアニメの振り付けを踊るの、シンプルだが最高の演出過ぎる。全コンテンツやった方が良い。
アニメ映像だと歌唱中にモノローグが入るんだけど、リアルのライブの後ろでその映像を流されるととてもグッと来た。それぞれの様々な想いや軌跡があって、今日このステージがあるんだな…と。
この曲の最後にミライKeyノートの振りが入ってるのもとっても良くて、それも合わせて最後のフレーズ「キミと出会い動き出したRe:ステージ!」でライブを締めるのが余りにもTRUE END過ぎて感涙してしまった。
ここで一旦ライブを締め、3rdライブの円盤化と各ユニットのワンマンライブが告知された。 ここまでMCどころか水を飲む時間すら無し、密度が凄い。

そしてアンコールへ。

EN1. 367Days / KiRaRe

ぜ、絶叫〜〜〜〜〜!!!!!!!!
アンコールを挟んでからのこれ、完全にアニメ最終話なんだよな。ラスサビのドラムが天才、あそこの幸福感ヤバい。
個人的な話だが、この曲は2ndライブでアニメ化が発表された後にサプライズで披露された曲で、その思い出が余りにも強く2ndライブ専用曲みたいな印象がどうしてもあったので、アニメを経てこういう使い方をしてくれたのがとても嬉しかった。忘れられない1日また咲いたよ…。
アニメ化という1つの夢を叶え、駆け抜けたKiRaRe。しかし、ここで終わりではなく「今ここがあの日夢見たスタートライン」であるということを改めて示してみせた。終わりはそう今始まりへと変わるんだよな…。

EN2. 憧れFuture Sign / 全員

昼公演ラスト、全員での憧れFuture Sign
アニメのEDに抜擢されたこの曲をアニメ楽曲中心の昼公演ラスト、それも全員歌唱で披露するの、完全にTRUE END(2回目)。
前に367Daysがあるのがまた良い。アニメ化という夢を叶えたところから、また次の未来、「新しい夢のその先へ」と向かっていこうというコンテンツの姿勢を感じた。とびきり大好きだろうがよ。

ここで昼公演終わり。事前に告知されていたようにMCこそほぼ無かったものの、アニメの要素を要所に含んだアニメ楽曲中心のセットリストでアニメファン絶頂の内容だったと思う。

以下から夜の部。(長ない?)


夜の部

1. Stage of Star / ステラマリス

開幕Stage of Star、天才か???
開幕曲をメインユニットKiRaReではなく、ステラマリスに出来たことはコンテンツとして非常に大きな一歩だと思う。アニメ化を経て広がったリステージの世界を一曲目にして感じさせ、また、夜の部は昼の部と全く異なったものになることを予感させるという意味でも最高のインパクトを持った開幕だったように思う。

2. リメンバーズ / KiRaRe

こっちが開幕だと思ってた…。KiRaReの自己紹介曲の要素があるのでKiRaReの一曲目として最適。
イントロと自己紹介パートのベースが大好き。

3. 君とインフィニティ / オルタンシア

インフィニティが付く曲は神。
「君と、君と君と君と君と 出会えたキセキ 無限大(インフィニティ)」の指差しの振りからの2人で◯を繋げて∞を作る振り、良〜。
2番からの構成が良いよね、間奏(クラップ)→Cパート(ヘドバン)→落ちサビのところが気持ち良過ぎてひっくり返った。

4. Heroic Spark / テトラルキア

テトラルキアって意外とメロディと反してしっかり振り付けがあったりするんだよな。中でもHeroic Sparkは特にロックサウンド×アイドルの音楽生が体現されてる感じがあって凄く好き。サビの指差しの振りがとても良い。

5. STORIA / トロワアンジュ

STORIAに一生勝てない。
この曲ただでさえメッセージ性強過ぎて無理なのに、思い入れがめちゃくちゃあって絶対泣いちゃうんだよな…。
今回Cパートの表情とかめちゃくちゃ良かったんだが、Silent Dystopiaを経てより表情に深みが出てるんじゃないかなあと思う。
ラスサビでパーっと明るくところめちゃくちゃ好きです。

6. Winter Jewels / 舞菜、紫、かえ、ハク、紗由、珊瑚(※投票により選出されたスペシャルユニット)

2人組×3というユニット選抜メンバー。
紗由珊瑚が映し出された時めっちゃ沸いててそれ!となった。しかもこいつら登場時にジャンケンし出すからな。大萌。喝。
ただ、せっかくの選抜なのにそれ以外に印象的な絡みがなかったのは残念。
選曲もWinter Jewelsで驚いたものの、岩橋さんがいないWinter Jewelsか〜となったのは秘密。

7. Desert Black Flower / 式宮碧音(※以下からメドレーパート、1番のみ歌唱)

「1番!式宮碧音!歌います!」からスタート。これアニメのネタだっけ?オーディションで歌ったら全員スタンディングオベーションした、みたいなやつ。多分それ。
これはセトリを見直して思ったことだが、メドレーのソロ曲は昼夜共にステラマリスから始まってるんだよな。今回のライブはステラマリスが立ち位置的にも特に目立ったように思う。

11. T.A.I.YOU / 南風野朱莉

10.11とテトラルキアのソロ曲が続いて、10.Flavor Youthの終わりにテトラルキアのリーダーは(以下略)ネタがあり、そこから繋がって、曲頭に同様のネタを挟む繋ぎ、あっぱれ。アニメでは出番の少なかったテトラルキアだがこのリーダーネタを定番のものとして視聴者に印象付けられたのはアニメの大きな功績だろう。や、テトラルキアのリーダーは私なのですが……

12. アイノウ・アイノウ

傘を使った立ち回りが印象的。傘で悲痛な表情を隠す演出、そしてサビで地面に傘を落とし頭を抱えながらの渾身の歌唱、圧巻の一言。
フルで聴きたかったな…というのが本音ではあるにしても、何も知らない私から見てもこの1分30秒に花守ゆみりさんの魅力がギュっと詰まっていたように感じたのと同時に、花守さんの引退が本当に惜しいと感じてしまったのは本音である。

15. ミライKeyノート / ここぱんな

昼で披露したので本日2度目。ここでは岩橋さんによるソロ歌唱だった。
歌い方がいつもと異なっていたように感じられ(?)、ロボットダンスを含めて、恐らくだが、ここではここぱんなを意識しつつの本城香澄の歌唱になっていたように思う。ここは有識者に聞いてみたいところですね。サビ辺りで岩橋さんの感情が大き過ぎて(?)、押し込めたままの想いが溢れ出していたのが好ましかった(?)。

16. For you!! For みい!! / 長谷川みい(※ここでメドレー終了・以外からフル尺)

メドレーラストのフル尺曲。ここに盛り上がる曲を持ってくる構成は昼の部同様のもので、ベストな配置だったように思う。
みぃ!で指を3本立てる振りが分かりやすく印象的で初披露でも乗りやすい曲になっていた。
ステージを駆け回り煽りまくる空見ゆきさんのパフォーマンスはまさに長谷川みいそのもの。体力的に限界が見えてきた中でのこの曲だったので、無事もう終わりだみぃとなった。

17. 月影のトロイメライ / トロワアンジュ

月影のトロイメライ、月影のトロイメライか〜という感じだった。この曲はベースが最高なので生バンで聴けたのは良かった。
サビ終わりに背を向けて天使の羽を模した振りが入るのがこの曲のポイントなのだが、今回の新衣装は袖がシースルーになっており、背を向けた際に袖がライトで照らされて羽のように見えたのがナイスデザインだった。

18. Seventeen Feels / テトラルキア

トロイメライからの繋ぎとして完璧。序盤のアコースティックパートからサビで一気に盛り上がるので、ここでまたひとつギアが上がっていたと思う。
生バンではここが初披露だと思うのだが、序盤、アウトロのアコースティックパートではアコギを使ってて、途中でギターを変えていたのが凄いと思った。
あと間奏のソロダンスパートが良い。特に高柳さんのスタイルを活かした大胆なダンスは見事だった。
これは完全にどうでもいい話(n回目)だが、1番サビ前あたりから我慢出来なくなって多動しちゃうのやめたい。

19. Time and Space / ステラマリス

岬珊瑚センター!?!?!?!?!?
この曲が岬珊瑚センターなの初めて知りました。はぁ岬珊瑚ちゃん……。

20. 宣誓センセーション / KiRaRe

この曲、8話の特殊EDで使われていたので昼の部で使った方が良いのでは…と思ったのが本音。昼の部のKiRaReの曲だけを追うとステレオライフからOvertuRe:まで一気に飛んだイメージがあるんだよな。
まあそれはそうと大好きな曲なのでめちゃくちゃはしゃいだ。(脳死
ここまでJoy Joy JoyなNumberでKiller Killer Tuneな曲なかなかないぜ。

21. Sinfonia /トロワアンジュ

ここから最終ブロック。
Sinfoniaと言えば2ndライブでトロワアンジュのトリを飾った曲だが、ここでも同様だった。
異なる点はと言うと今回は黒衣装での披露だったことである。このSinfoniaで阿部さんがイメージとして挙げていた「ジャンヌダルク」がSilent Dystopiaのイメージへと繋がり、黒トロワと結びついたというエピソードがあり、そういう点でも黒衣装での歌唱が見れて嬉しかった。
Cパートの時計回りに回る振りやサビ終わりの十字架を描く振りが良いよね…あとラスサビの最後でユニゾンするところ最高……余りの声量に日本海を越えてロシアまで吹き飛ばされた。

22. Fearless Girl / テトラルキア

テトラルキアで1番好きな曲と言えばFearless Girlと即答するくらいには好き。
この疾走感と多幸感、そして絶対的な肯定感、最高。2番サビの「瞬き出来ないくらい煌めいた毎日がワクワクで加速してゆくよ」って歌詞がめちゃくちゃ好きなんだけど、誰も共感してくれなくて悲しい。瞬き出来ないくらい煌めいた毎日をワクワクで加速させてみたい人生だった…。

23. 恋はフュージョン/ ステラマリス

求めてるの私の恋はフュージョンでぇ……………。
この曲、生バンがめちゃくちゃ映える。俊龍以外のステラマリスも良いんだぞって声を大にして言いたい。
俊龍と言えば今回Secret Dreamが無かったのが残念だったが、恋がフュージョンが無かったら無かったで恋はフュージョン無しか…とか言ってたと思う。ステラマリス楽曲群の層の厚さを実感した。今の侍ジャパンより層が厚そう。

24. キラメキFuture / KiRaRe

昼の部アンコール前ラストがOvertuRe:だったので、まあここはこれだろうと予想はしてた。アニメ順から言うと逆なので、このセトリ構成は実に興味深い。
私の見解を書いておくと、昼の部がアニメ化という夢を叶えたことへの祝福、夜の部はそこに至るまでとその先の未来に向けたものになっているのではないかと思う。こちらについては後述します。

タイトルの通り、このキラメキFutureは未来のキラメキを歌った曲だ。ある日夢見た未来、アニメという夢。彼女達は今、その夢の中にいる。
そして、だからこそ、彼女達はまたその先にある未来の輝きを信じて歩いていける。叶えた軌跡、過去が彼女達の未来を照らす。そんなリステージの歩みを感じさせるものになっていたように思う。

25. Dear マイフレンド / オルタンシア

ここはもう多くを語る必要はないだろう。というか何も言えないというのが正しい。涙を流す場面もあったが、最後は笑顔でこの瞬間を迎えられて良かった。
いつだってほらココロはひとつ。
花守ゆみりさん、本当にお疲れ様でした。

ここで一旦締め、昼の部同様の告知があり、加えて花守さんへ花束を贈る一幕もここだったかな。
そしてアンコールへ。

EN1. Don’t think, スマイル!! / KiRaRe

本日2回目のDon’t think, スマイル!!。キラメキFutureの先にはスマイルがあるんだよな。
リステージの未来は明るい、この先も笑顔で進んでいこう。そんなメッセージなのだと感じた。

EN2. ハッピータイフーン / 全員

ハッピーなタイフーン!?!?!?!?!?
アンコールラストはStartin' My Re:STAGE!!で締めると予想していた人も多いことだろう。少なくとも私はそう思っていた。恐らくStartin' My Re:STAGE!!という曲は私達の知らないところで信じられないほど大きく、重い曲になっているのだろうと思う。

さておき、ここでのハッピータイフーンの起用は完成に予想外だったのだが、振り返って見ればとても意味のあるものだったように思う。
リスナーへのメッセージ性が強いこの曲を全員で歌うことの意味。それはリステージというコンテンツが全てを巻き込んで未来へと進んでいくこと。そして、それがひとつの風になり、誰かの背中を押していかんとすることを意味する。また、花守さんを送り出す曲としても機能しており、それを含めてリステージの未来への表明なのだろうと感じた。

以上、レポでした。思いの外長くなりましたが、実はここからが本題です。


ライブを終えて───総括

・言葉ではなく楽曲で語るライブ

冒頭でも書いたように、今回のライブはMCがほとんどなく、時間の許す限り楽曲を詰め込んだ楽曲を最優先にしたライブになっていた。
思えば、1年前の2ndライブでも4時間越え休憩無し全35曲の鬼セトリで当時あった全楽曲を披露しており、このライブスタイルは今に始まったことではないのだろう。
また、最近ではSpotifyやアニュータ等でのサブスク配信を積極的に行っており、リステージがコンテンツの強みとして楽曲を全面的に押し出しているのは明白だ。
本ライブでは、そんな「音楽を最優先としたライブ」という、謂わばリステージらしさとも言えるこのライブスタイルを崩すことはせず、アニメを経て尚、これまでのリステージのライブの在り方を貫いた。それは、コンテンツの一貫性、普遍性をひとつ証明することとなり、今後もこのスタイルでやっていくという意思表示なのだと感じた。

・アニメの集大成としてのライブ

勿論、アニメ後のライブとしての要素が皆無だった訳ではなく、アニメ映像をバックにアニメの振り付けを再現するなど、楽曲を最優先にしつつもアニメとのリンクを感じられるものになっていた。
MCがほとんど無かったので、アニメ楽曲を含めてアニメについて語ることはなかったが、アニメを経てバックボーンを広く伝えられたからこそ、楽曲のみのライブで観客に思考を委ねることができ、「楽曲で語る」というライブを可能としたのかもしれない。
それが功を奏してか、"楽曲を最優先としたこれまでのリステージのライブ"と"アニメの集大成としてのリステージのライブ"という2つの軸が見事に合わさったライブを実現し、アニメから入った新規ファンだけでなく、これまでを知るファンにも満足のいくような、中々に洗礼されたライブになっていたように思う。

・ライブテーマ「Reflection」について

今回のライブタイトルである「Reflection」についてだが、これは「反射・反映」という意味の言葉で、これが大きなライブテーマとしてあらゆる要素で掛かっていた。

実は上に書いた2つのライブ性もReflectionというライブテーマと重なっており、公式のツイートにもあるように、「アニメを反映させる」「会場の熱を反射させる」という意味で2つのReflectionがライブに取り入れられていたことはまず間違いないだろう。
アニメの集大成としての新たなライブと楽曲を最優先としたこれまでのライブを融合させ、今のリステージの魅力を存分に発揮させたライブの形、それがひとつのReflectionの意味であり、これがより顕著に表れていたのはアニメ楽曲が中心だった昼の部だ。

対して夜の部。夜の部では事前に告知されていた通り既存曲が中心のセットリストになっていた。
KiRaReの「リメンバーズ」「宣誓センセーション」、ステラマリスの「Stage of Star」「恋はフュージョン」、トロワアンジュの「STORIA」、テトラルキアの「Fearless girl」など、既存曲の中でも各ユニットの代表曲とも呼べる曲を散りばめることで、リステージの歩み、これまでを感じさせつつも、クライマックス、アンコールでは「キラメキFuture」「Don’t think, スマイル!!」「ハッピータイフーン」といった新たな曲達でリステージの未来を描いた。
そこには過去を大切に未来へ進んでいこうというリステージの意思表示、そして、その先に待つ明るい未来への誓いが感じられた。 そこに夜の部のReflectionがあるのではないかと私は思う。
今といういつかの未来が輝いているのは、過去の歩みがあるからこそであり、また、過去があるからこそこの先に待つ輝かしい未来を信じて歩いていける。新旧の楽曲を効果的に使うとで、リステージの過去と未来を体現した夜の部。
そんな過去と未来の繋がり───"反射"が夜の部におけるReflectionなのだ。

・リステージの未来、もうひとつのReflection

アニメ化というひとつの夢を叶え、駆け抜けた今。リステージというコンテンツが、1つ大きな節目を迎えていることは間違いないだろう。 では、リステージはこの先どのような未来に向かっていくのだろうか。

これまでのリステージがどのようなコンテンツかと言われれば、私は「KiRaReの夢を応援するコンテンツ」だと思っている。いや、思っていた。
コンテンツ全体でKiRaReの夢を応援し、その中でKiRaReの成長や夢を叶えていく姿を見て、感動したりする。それが、これまでのリステージというコンテンツのひとつの在り方だった。
これを強く感じられたのは2ndライブだ。アニメ化が発表された瞬間、涙を溢すKiRaReのメンバー。そしてそのKiRaReにかけられた沢山の祝福の言葉。ファンだけでなく、スタッフ、他のユニットのメンバーを含めたコンテンツ全体がアニメ化という夢を叶えたKiRaReを祝福していた。そこには「KiRaReの夢を応援するコンテンツ」のひとつの集大成があったように思う。

そして、3rdライブ。アニメの集大成としてのライブを駆け抜けた今、「KiRaReの夢を応援するコンテンツ」は本当の意味で終わりを迎えた。
ここで注目したいのは夜の部アンコールラスト、全員で披露された「ハッピータイフーン」だ。

このハッピータイフーンという曲は2ndライブでアニメ化が発表されたときにサプライズで披露された367Daysの次のKiRaReのシングル曲であることは言うまでもない。そんなこの曲は「背中を押す」ことが大きなテーマになっている。 コンテンツ全体に応援され、ここまで来ることが出来たKiRaRe。そんなKiRaReだからこそ歌える「背中を押す」歌。それがハッピータイフーンなのだ。

そんなこの曲を3rdライブの最後の最後に全員で歌ったこと。そこにリステージの新たな未来があるのではないだろうか。
牧野天音さんが最後の挨拶でおっしゃっていた「夢を届けたい」「皆さんの夢を後押し出来たらいいな」という言葉。そしてハッピータイフーン。
「KiRaReの夢を応援するコンテンツ」だったリステージは夢を叶えたことで1つの終わりを迎えた。そして、そんな夢を叶えたリステージだからこそ、本当の意味で誰かの背中を押すことが出来る。
リステージは「KiRaReの夢を応援するコンテンツ」から「誰かの夢を応援するコンテンツ」へと変貌を遂げたのだ。

また、全員歌唱したという点も忘れてはならないだろう。これはKiRaReだけではなく、全ユニット、リステージ全体が一丸となって「誰かの夢を応援する」という新たな未来に向かっていくことを示しているのではないか。そう考えると、今回ソロ曲を全曲披露したことや、ワンマンライブの発表なども意味があるように思えてくる。リステージの全員、18人全員で進んでいこうというリステージの意思表示がそこにはあったように思う。
これこそがアニメ化を経て示したリステージの新たな未来であり、この先リステージは「誰かの夢を応援するコンテンツ」として"全員"で進んでいくのだろう。
そして、多くの人に応援されながら夢を叶えたリステージが今度は誰かの夢を応援するということ。ここにもうひとつのReflectionがあると私は思っている。夢の反射としてのReflectionだ。
これがこのライブで「誰かの夢を応援するコンテンツ」としてリステージが見せたもうひとつのReflectionなのだ。

それを踏まえると前述した「楽曲で語るライブ」との結び付きも見えてくる。
思えばアニメ本編、舞菜がアイドルを再び目指すきっかけとなったのは何だったか。また、紗由が、かえが、香澄が、みいが、瑞葉が、心を動かされた瞬間。9話で紗由がアイドルに反対する親を説得したとき、12話で碧音が舞菜の想いを受け決別を自覚した瞬間、一度はKiRaReのステージを前に帰りかけたステラマリスのファンがKiRaReの色に染まった瞬間もそうだ。
そう、そこにはいつも歌があった。歌には人の心を動かす力がある。言葉だけでは届かない想いも、歌でなら届けることができる。
また、楽曲は聞き手それぞれの想いに起因し、聞き手によって違った意味を持つものだ。歌っている彼女達のものでありながら、聞き手のものでもあると私は思う。そんな多様性、メッセージ性を持ったもの、歌い手だけでなく、聞き手の想いをも"反射"するものが音楽であり、だからこそ、聴く人の心を動かすことが出来るのだろう。

アニメでも示されているこのリステージにおける音楽の立ち位置はリアルのライブにも反映されており、だからこそリステージは「楽曲で語るライブ」を貫いたのではないだろうか。 「人の心を動かすことが出来る楽曲」で「誰かの夢を応援するコンテンツ」として"全員"で未来へと向かっていく。リステージの未来へのReflection──これが3rdライブで示したリステージの新たな姿なのかもしれない。

最後に

ってことで、いや〜〜〜〜、、、Re:ステージ!PRISM☆LIVE!3rd STAGE~Reflection~………良いライブだったな…………はい。

偉そうに長々と語ってしまったが、これはあくまで私の妄想であり、言ってしまえばただの深読みである。だが、深読みしちゃうのがオタクの性というものだろう。また、今回のライブに関しては散々言ったように楽曲で語るライブだったこともあり、受け取り方も様々あって良いだろう。良いよね?OK、了解。

何にせよ、今リステージが大きな転換期を迎えていることは間違いない。しかしながら、牧野さんが言っていたようにここはまだ「序章」である。
この先、リステージがどのような未来へと向かっていくのか、私も1人のファンとして見届けていきたい所存だ。 これまでリステージのライブに参加したことのない方も是非一度足を運んで頂き、リステージの世界を体験してみてほしい。

以上。
ホントはもっと短く纏める予定だったのだが、書いてるうちにあれやこれやと感想が湧いてきて、ついうっかり16000文字越えの怪文書を書き上げてしまった。ここまで読んでくれた方はよっぽど暇だったのでしょう。(お付き合い頂きありがとうございましたの意)
という訳で、ここまで読んで頂きありがとうございました。

それではまたワンマンライブで……


おわり。

「TROISANGES」の約束と「Silent Dystopia」

いや〜〜〜、TVアニメ「Re:ステージ!ドリームデイズ♪」、良いアニメだったな…………

ってことで今回はそんなRe:ステージ内のユニットである「TROISANGES(トロワアンジュ)」から「Silent Dystopia」について考察していこうと思います。(クソ雑前置き)

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はじめに

まず、ユニット「TROISANGES」について説明しておこうと思います。
軽く前述したように「TROISANGES(トロワアンジュ )」は前クールでアニメが放送された「Re:ステージ」というコンテンツ内のユニットのひとつです。

「Re:ステージ」についてはこちら
rst-project.com

ユニット名の「TROISANGES(トロワアンジュ )」ですが、これはフランス語のTROIS(3)+ANGES(天使)で、「3人の天使」という意味です。
この「天使」という要素は当然楽曲にも反映されており、ストリングスが印象的な優雅で壮大な音楽性、メッセージ性の強い天使性が盛り込まれた歌詞、そして3人の歌声を武器に作り上げる世界観はリステージの中でも唯一無二の魅力と言えるでしょう。

まあ百聞は一見にしかず(?)ということで、1stアルバムのリード曲であり、トロワアンジュの代表曲とも言える「STORIA」を貼っておきます。

STORIA

STORIA

  • TROISANGES
  • アニメ
  • ¥255

その名の通り「天使」をモチーフに、音楽で人々の背中を押すアイドルユニット、それが「TROISANGES」です。

Silent Dystopia

2018年12月19日、そんな「TROISANGES」の2ndシングル「Lumiere」が発売されました。 そのカップリング曲が今回紹介する「Silent Dystopia」です。

Silent Dystopia

Silent Dystopia

  • TROISANGES
  • アニメ
  • ¥255

歌詞:TROISANGES(白鳥天葉(CV:日岡なつみ)、帆風奏(CV:阿部里果)、緋村那岐咲(CV:長妻樹里))
作詞:高瀬愛虹
作曲:佐藤厚
編曲:伊藤翼

トロワアンジュの曲をこれまで聴いてきた人達にとって、この曲は良い意味でトロワアンジュの印象を覆してくれたのではないかと思います。
と言うのも、この2ndシングルに当てられたテーマは「白と黒」。表題曲である「Lumiere」が「白」ならば、この「Silent Dystopia」のテーマは「黒」です。

これまでのトロワアンジュと言えば、優雅で壮大な音楽性と「天使」というユニットテーマに沿った歌詞が大きな特徴であり、「白」のイメージが強かったと思います(そもそも天使で黒を想起する人はいないと思いますが)。

しかしながら、この「Silent Dystopia」では、どこか悲劇的な音楽性、「Dystopia」を舞台とした歌詞、攻撃的な歌唱と言ったように、ダークな世界観が印象的です。これまでのトロワアンジュとは異なる「黒」が前面に押し出された内容になっており、「黒トロワ」と呼ばれるトロワアンジュの新たな一面を打ち出したのがこの「Silent Dystopia」です。

背景、世界観

歌詞を追う前に、この「Silent Dystopia」の背景、世界観について説明しておきます。

・Utopia…理想郷

・Dystopia…暗黒郷、反理想郷

・堕天使… 主なる神の被造物でありながら、高慢や嫉妬がために神に反逆し、罰せられて天界を追放された天使、自由意志をもって堕落し、神から離反した天使。  

この曲は天使が「Dystopia」から「Utopia」を目指す物語です。
この曲における「Dystopia」とは自由のない世界の象徴であり、この天使にとってそれは天界です。神に仕える為に創られたとされる天使ですが、この曲の天使は自由のない「Dystopia」(天界)から、自由を求めるが故に堕天し、この天使にとっての理想郷、自由のある「Utopia」(地上)を目指します。これが大まかな物語になります。
この曲中の天使が堕天する話に関してですが、恐らく天使が堕天した理由として唱えられている「自由意志による堕天」がモチーフになっているのではないかと思います。(Wikipedia参照)

ja.m.wikipedia.org

また、この曲のモチーフのひとつとして「ジャンヌダルク」が用いられているそうです。
ジャンヌダルクと言えば、百年戦争において劣勢を強いられていたフランス軍の士気を高め、勝利に大きく貢献した人物であり、神の声を聞いた"聖人"としても有名です。
戦場の中に生きながら、フランス軍を鼓舞し劣勢を跳ね返したジャンヌダルクに、「Dystopia」から「Utopia」を目指さんと歌い続ける黒トロワのイメージを重ねています。

この「DystopiaとUtopia」「堕天使」「ジャンヌダルク」をキーワードとして、以下から歌詞を追って考察していこうと思います。

1番Aパート

満月の旗を空に掲げた 何より高く

騒ぎ出した鳥の声が 走り出す合図

高瀬さんがブログでも言っておられましたが、この部分は「ジャンヌダルク」をイメージして作られてます。

闇夜に光る満月は、光の見えない世界で燦然と輝く光、即ち希望の象徴です。
自由や希望を失った世界「Dystopia」。そこに生きる主人公が「満月の旗」=”希望”を掲げることでこの世界に反逆し、革命を起こす。そんな物語の始まりを予感させます。

「何より高く」「走り出す合図」とあることから、自分と同じように自由を剥奪され苦しめられている誰かに向けたメッセージでもあることが読み取れ、それを含めて「ジャンヌダルク」のイメージと重なっています。

1番Bパート

昨日の自分 背にして 瓦礫の中を彷徨った

無くした世界を取り戻すように 動き出した時間

「昨日の自分」は「Dystopia」を前に動けずにいた自分。希望を失った世界に飲み込まれ、諦めや挫折の中で時間が止まってしまっている状態です。

そんな自分を背に、失った希望を取り戻す為に、「瓦礫」=「砕け落ちた希望」の中を彷徨いながら、主人公は「Utopia」を目指します。
そうして止まった時間は動き出します。

1番サビ

何度でも 何度でも 此処で立ち上がるのは

儚く消えそうな未来を 救い出したいから

「Utopia」を目指すことは決して簡単ではありません。自ら選んだその道は過酷で苦しいものでしょう。
そして、その苦しみは、自由を求め希望を持ったが故に襲い掛かるものであり、逆に言えば希望のない「Dystopia」ではその苦しみが存在しません。希望や自由を排斥することで、苦しみを無くした1つの理想郷、まさに管理社会における「Utopia」の姿であるとも言えます。

確かに希望を捨て生きる世界は苦しみもなく、楽です。
しかしながら、そんな世界では夢を見ることすら許されません。その苦しみの先にある未来の喜びを得ることも出来ません。

だからこそ、主人公は立ち上がります。
何度も挫折を繰り返し、膝をついて、それでも尚その度に立ち上がって前に進む。その先にある未来を救い出す為に。

Make a Jailbreak :: DYSTOPIA

進むべき場所が何処でも キミとキミと交わした約束

歌い続けよう 辿り着ける日まで

Jailbreak…脱獄

「Make a Jailbreak :: DYSTOPIA」は「DYSTOPIAからの脱獄」という意味です。

異なった存在である私達は「進むべき場所」も当然異なります。そして、私達は何処にでも行くことができるし、何にだってなれる。だからこそ、私達は自由を求め「Dystopia」から脱獄するのです。

また「キミ」についてですが、これは”自分と同じように膝をつき、それでも尚諦めず立ち上がる誰か"です。そんな「キミ」の存在が自分自身を立ち上がらせる勇気を与えてくれる。
また同時に、そうして立ち上がる自分自身が「キミ」を立ち上がらせる力になっているのです。だから主人公は歌い続ける。これこそが「約束」なのです。

ちなみに「キミ」というフレーズを2回繰り返すのは、単数ではなく複数に向けたメッセージであること、また、3人ユニットである「TROISANGES」のそれぞれメンバーに向けたものであることを表しています。

2番Aパート

焼け焦げた太陽 海に沈めた 何より深く

初めからそう 何処にもない 禁断の果実

・禁断の果実… 旧約聖書「創世記」に記されている、神から食べることを禁じられていた知恵の木の実。それを手にすることができないこと、手にすべきではないこと、あるいは欲しいと思っても手にすることは禁じられていることを知ることにより、かえって魅力が増し、欲望の対象になるもののことをいう。


光の元である「太陽」は希望の元です。そんな「太陽」が焼け焦げてしまっているので、光を失っている、希望を絶たれた状態です。つまり「焼け焦げた太陽」とは「Dystopia」の象徴であると言えます。

「禁断の果実」と言えば、エデンの園に暮らすアダムとイヴが、禁じられていた木の実を食べたことにより、楽園から追放された旧約聖書の物語が有名ですが、ここではその物語がモチーフになっています。

食べることを禁じられている「禁断の果実」は欲望の象徴であり、そうすべきではないとされていることを表しています。
つまり、"当たり前とされている概念"です。
自由や希望を持つことを許されない「Dystopia」において、それは"自由を求める意志"であり、「Dystopia」を「Dystopia」としている世界の考え方そのもの、マジョリティであると言えます。
しかしそんなものは本当は何処にもない。私達は自由であるはずで、そうあるべきだと主張しています。それはマイノリティな考え方であると言えるでしょう。

タイトルになっている「Silent Dystopia」ですが、恐らくこれは"物言わぬ大衆"である「サイレント・マジョリティ」がモチーフになっていると考えられます。
「Dystopia」に飲み込まれ、意思を持たない静かな多数派により構成される「Silent Dystopia」。そしてそれに声を上げて抗うマイノリティ・少数派の物語が「Silent Dystopia」なのです。

纏めると、『「Dystopia」を構成する"当たり前とされている概念"なんてものは初めから何処にもない。私達は自由であるべきだ。だから、そんなものは海に沈めてしまえ。誰にも見えないように深く。』とここでは歌っています。

これは補足ですが、闇の中に輝く「満月」も「太陽」の光無くしては輝くことが出来ません。そんな暗闇の中で掲げたのが1番Aパートの「満月の旗」であり、主人公は自らが光になろうとしたという訳です。

2番Bパート

もし違う運命(さだめ)でも 変わらず飛び出してただろう

白いこの羽が黒く染まっても 自由を求めた

人によって運命や境遇は異なります。そしてそれに応じて「Dystopia」の在り方も違います。
例えば、戦場で生きることが当たり前のジャンヌダルク
例えば、神に使える為に生まれた天使。
例えば、夢を諦めねばならない私達人間。
どうしようもない運命がそれぞれに襲い掛かり、私達から自由を奪っていきます。
しかし、そんな運命を前にして尚、飛び出す気持ちを抑えることなど出来ません。運命なんてもの、"当たり前とされる概念"なんてものは関係ない。どんな運命にも止める事は出来ない不屈の精神性が描かれています。

「白いこの羽が黒く染まっても」は天使ならではの歌詞です。
天使は神に使える為に創られた存在です。故に天使は神に抗ってはならず、自由意志を持ちません。天界ではそれが"当たり前とされている概念"であり、この天使にとっての「Dystopia」です。

しかしながらこの天使はその運命に抗い、自由を求めます。そうして神に抗って自由を求めた天使は自由のない天界「Dystopia」から自由のある地上「Utopia」へと自らの意思で"堕天"しようとします。 「白いこの羽が黒く染まっても」は、そんな主人公である天使が、例え神に背き堕天することになってでも「自由を求めた」ことを表しているのでしょう。

また、この曲を歌う「黒のトロワアンジュ」はこの堕天使のことを指しています。

2番サビ

何度でも 何度でも この手で掻き集めた

地上の隅に散りばめて 砕け落ちた希望

Trespass on :: UTOPIA

キミに寄り添う感情は

いつもいつもやさしさであって欲しい

手を伸ばす 明けない空の下

・Trespass on...侵入する


「Trespass on :: UTOPIA」で「UTOPIAへの侵入」という意味です。
天使にとって「脱獄」は神に抗うこと、「侵入」は堕天することがそれにあたり、どちらも”許されないこと”なのでこのワードが使われていると考えられます。

地上には自由や希望がありますが、それ故にその隅には「砕け落ちた希望」=”苦しみ”も存在します。挫折と言っても良いでしょう。そんな「砕け落ちた希望」を再び搔き集めて、主人公はまた立ち上がり、明けない空の下=「Dystopia」で、「Utopia」へと手を伸ばします。

何度でも立ち上がることで"自分と同じように膝をつき、それでも尚諦めず立ち上がる誰か"である「キミ」に寄り添う。
この旅の先に何があるかも分からない、願いが実るとも限らない。
それでも尚、立ち上がり「キミ」の背中を押すことは本当に正しいことなのか。そしてこの感情は、本当にやさしさなのだろうか。いや、そうであって欲しいと明けない空に祈る姿は自分自身に言い聞かせているようにも思えます。

Cパート

風のように生まれては巡る悲しみがいつか 終焉を迎えて歓びの花はまた芽生えるから

希望が生まれては落ち、希望が持つが故に悲しみが巡る負の連鎖を抜けられないまさに「明けない空の下」の状態です。

しかし、悲しみがあるのはそこに希望があるからであり、悲しみがあるからこそ、その先にある歓びを得ることが出来る。諦めなければいつか悲しみを抜けられる。その先に歓び、幸せが待っているはずだと信じて進み続けること。それがこの曲における「Utopia」の在り方なのです。

ラスサビ

何度でも 何度でも 此処で立ち上がるのは 儚く消えそうな未来を 救い出したいから Make a Jailbreak :: DYSTOPIA 進むべき場所が何処でも キミとキミと交わした約束 歌い続けよう 祈り捧ぐ 辿り着ける日まで

曲の締めくくりです。
ここでは1番サビと同じフレーズを使うことで、「Dystopia」から抜け出せない状況が続きながらも「Utopia」を目指すことを諦めず「辿り着く日まで歌い続ける」ことをそのまま表しています。また、冒頭やサビ終わりに使われているコーラスも同様の意味を持つと考えられます。

そして、この歌は「祈り」です。
希望が絶たれ、自由が存在しない「Dystopia」の中で、"自分と同じように膝をつき、それでも尚諦めず立ち上がる誰か"に向かって歌う"祈りの歌"。
そして、そんなキミの為に、自分の為に、何度でも立ち上がり、その歌を歌い続けるという"約束の歌"でもあります。

「TROISANGES」が本作で提示した「黒トロワ」とは、決して闇落ちするようなものではありません。
「Dystopia」という"黒"の世界の中でも決して諦めず、希望を歌い、聴く人の背中を押そうとする不屈の精神性。それこそが"黒トロワ"です。

そして、どんな状況でも、どうなったとしても、希望に、人の心に寄り添う"天使"であり続ける。
そんな「TROISANGES」の誓い───"約束"こそがこの「Silent Dystopia」なのです。

最後に

考察は以上です。 予防線を張っておきますが、今回書いたものはあくまで私の解釈ですので、あくまで解釈の1つとして読んで頂ければと思います。

追記として最後にもうひとつ、本楽曲の歌い出し(イントロ)・間奏・アウトロに使われているコーラスについても書いておこうかと思います。 この部分、(正直に言うと私の力不足で歌詞を聞き取れませんでしたが、)恐らく「金星」を指す「Venus(ヴィーナス)」がモチーフになっているのではないかと思っています。
金星は日没後に見られる「宵の明星」と、明け方に見られる「明けの明星」に分けられ、前者を「Vesper(ヴェスパー)」又は「Hesperus(ヘスペロス)」、後者を「Lucifer(ルシファー)」と呼びます。
「Vesper」はその他に「晩祷」という意味もあり、晩の祈りという点で見れば、この曲の持つイメージと重なっていることが分かるかと思います。本文でも少し触れましたが、曲を通して最初から最後まで何度も使われることで意味のあるものになる…みたいな?
これ次第ではこの曲自体が「晩祷」の意味合いを持つ可能性すらあります。

また「Lucifer」に関してですが、これは有名な堕天使・ルシファーが元になっており、この曲のテーマである「堕天使」のイメージとも重なっています。
正確な歌詞が聞き取れなかった為、あくまで推測になりますが、この辺りがモチーフになってるのではないかと思います…不明瞭ですいません。聞き取りに自信のある方は是非教えてくださいませ…
また、大切なことを書き忘れていましたが、僭越ながら今回書いたものは作詞の高瀬愛虹さんが以前書かれていたブログを参考にさせて頂きました。素敵な歌詞をありがとうございます。

gamp.ameblo.jp

これは完全に余談ですが、本当に高瀬さんの書く詩が大好きで、トロワアンジュに入ったのもきっかけこそは声優さんや曲からではありますが、高瀬さんがいなかったらここまで好きにはなれなかっただろうなぁと思ってます。オススメは「エンゼルランプ」です。

エンゼルランプ

エンゼルランプ

  • TROISANGES
  • アニメ
  • ¥250


話を戻します。
そんなトロワアンジュですが、11月6日に待望の新アルバム「Loved One」が発売されました。
今回はソロ曲も収録されており、加えてライブ直前での発売ということもあり、必聴のアルバムとなっています。特に表題曲「Dears…」はトロワアンジュの真価を存分に感じられることと思うので、ライブにいかれる方もそうでない方も是非聴いて頂きたいです。

Dears

Dears

  • TROISANGES
  • アニメ
  • ¥255


そしてそして、来る11月17日、3周年ライブになる「Re:ステージ!PRISM☆LIVE!3rd STAGE~Reflection~ 」が開催されます。

今回書かせて頂いた「Silent Dystopia」は前回の 「Re:ステージ! 1stTOUR INTERSECT【仙台】」で披露されています。
黒の衣装を見に纏い、普段とは一転した攻撃的な表情、ダンス、歌声で場を制し、まさに圧巻のパフォーマンスを見せてくれました。

そこから1年。
今回のライブで本楽曲を歌う確証はありませんが、きっと当時より更に進化したトロワアンジュの姿が見られることと思います。

トロワアンジュ、本当に凄いんですよ。
楽曲が持つ壮大な世界観を背負って尚、それを歌い上げる歌唱力、表現力…
是非トロワアンジュにも目を向けて、そのパフォーマンス、世界観を全身で感じ取って頂きたい。

そうすれば、
きっと貴方にも天使が舞い降りることでしょう────。

ここまで読んでくれた方、私の拙い文章にお付き合い頂きありがとうございます。
少しでも本楽曲とトロワアンジュの魅力が伝わっていれば幸いです。

それでは、ライブに行かれる方は共に大宮を沈めましょう。



おわり。

「Oxymoronの宣誓」とmiroirの「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」


4月2日。私はこの日を忘れることはないだろう。
─────この日、私の好きな声優はアイマス声優になった。

はじめに

3月28日、アプリ「アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ」にて、とあるイベントの予告がなされた。

イベントは「LIVE Parade」。対象は初登場の新アイドルとなる久川颯、久川凪。どうやら双子らしい。2人はユニット「miroir」としてアイドルデビューすることが発表された。
そして来たる4月2日、イベントの開始と共にキャスト(久川凪役に立花日菜さん、久川颯役に長江里加さん)、イベントコミュ、予告にあったデビュー曲「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」が公開された。
4月16日フルverが配信される。


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さて、今回はこの曲「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」について考察していこうと思う訳ですが、その前に、この曲を歌う2人のアイドルについて簡単に紹介しようと思います。

アイドル・久川颯

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まずは久川颯。楓ではなく颯。久川姉妹の双子の妹です。
性格は天真爛漫。表情が豊かであらゆるものに活力的で自信家。ちなみに朝は和食派。14歳にしては比較的スタイルが良く、顔も良い。

颯はアイドルに憧れを持っていて、アイドルになる為にオーディションを受け、合格してアイドルになります。
昨今のシンデレラガールズにしては珍しい「アイドルになりたい!」という気持ちで前進する真っ直ぐな正統派アイドル、これが久川颯です。

アイドル・久川凪

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続いて久川凪。ネギではなく凪。久川姉妹の双子の姉です。
性格は...何と言えば良いだろう。感情が表に出にくく、独特のワードセンスを持っているのが大きな特徴で、趣味「マンションポエム」を見れば分かるように、言ってしまえば不思議ちゃんです。
朝はパン派。スタイルは颯ほど良いわけではない普通のJC体型。顔は良い。
突出した個性を持っているという点では従来のシンデレラガールズらしい個性派アイドルと言えます。

アイドルに強く憧れる颯に対し、凪はアイドルに全く興味がありません。颯のオーディションに付き添いできていたところをPにスカウトされ、それを断り切れず、というのが凪のスタートになります。

miroir

miroirとは「鏡」です。

ここまで書けば分かるかと思いますが、颯と凪は双子でありながら、まるで正反対。
それはまさに対照的に映る鏡のように───。
これが2人の大きな特徴であり、ユニットの大きなテーマにもなっています。また後ほど解説しますが、曲を彩る「チグハグさ」もこれに由来するものでしょう。
そんな不思議な2人の個性を活かしたユニットこそが「miroir」です。


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ちなみに「颯」というのは風が吹く様、キビキビした様子のこと、「凪」は風や波が静まった無風状態のことを指します。
風が吹く「颯」と静まった風の「凪」で名前からも2人のチグハグな個性が表れています。

O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!

ここから、本題である「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」について話をしていきます。

O-Ku-Ri-Mo-No Sunday! (M@STER VERSION)

O-Ku-Ri-Mo-No Sunday! (M@STER VERSION)

  • 久川凪 (CV: 立花日菜) & 久川颯 (CV: 長江里加)
  • アニメ
  • ¥255
作詞・作曲:烏屋茶房さん。作曲・編曲:篠崎あやとさん。 歌唱はもちろん「miroir」

「ポップでキャッチーでかわいくて、とにかくすごいよ!」と、颯が予告をしていましたが、全くもってその通り。ポップでキャッチーなメロディラインがなんとも気持ち良い。
軽快なカッティングギター、ポップなメロディとは対照的に響く強めの低音、突然始まるfuture bassなど、聞き所を挙げれば、枚挙にいとまがありません。
そんなメロディと合わせて、難解で遊び心に溢れた歌詞が展開していく流れが非常に面白く、ユニットが持つ空気感を見事に表現しています。

また、歌詞を読み取っていくと「miroir」のパーソナリティーな部分も見えてきて、単純な曲としての素晴らしさもさることながら、デビュー曲としてもこれ以上ない一曲だと言えるでしょう。


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それではここから、そんな「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」を歌詞を追いながら考察していきたいと思います。

冒頭(語りパート)

※以下から歌い分けをカラー別に、、全員で表記します。
※今回はイベントコミュ「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」とそれぞれのアイドルコミュを踏まえた考察になっています。

(続いて、ラジオネーム“おもしろくん”さんからのお便りです。)

(大好きな人の隣の席にいるのに、話が噛み合いません。どうすればいいですか?)

(んー、べつにいいんじゃないですかね?だって)

曲の冒頭、凪の語りパートから曲が始まります。 「ラジオネーム"おもしろくん"さんからのお便りです」とあるように、どうやらここはラジオ番組らしく、そこに一通のお便りが届いたようです。

「大好きな人の隣の席にいるのに、話が噛み合わない」

青くさい恋のお悩み。
それに対して、恐らくパーソナリティーである凪は「別にいいんじゃないですかね?」と回答し、「だって…」と続いたところで歌パートが始まります。

"噛み合わない2人"。でも、別にいい。
「だって…」と続いていくところを見るに、どうやらこの理由を"似てるけど正反対な双子"である「miroir」が、曲を通して説いていくことが、この曲の大きなテーマなのでしょう。

冒頭(歌い出し)

チカク/テ/トオイ/スグトナリ

二人はTig-HugなOxymoron,Yes

アマク/テ/スッパク/テ/ハジケタリ

それなんてTig-Hugなオクリモノ,Yes

チカク/テ/トオイ/スグトナリ

二人はTig-HugなOxymoron,Yes

ワタシ/ト/キミ/ノ/ヒトトナリ

二人はTig-Hugな

Oxymoron(オクシモロン)…撞着語法のこと。意味の矛盾する語句を並べて、言い回しに効果を与える修辞法。「無慈悲な親切」「ゆっくり急げ」など。ギリシャ語のOxy(鋭い)とmoron(鈍い)を組み合わせた言葉。
Tig…鬼ごっこ
Hug…〜を抱きしめる

近くて遠い。甘くて酸っぱい。チグハグ(Tig-Hug)。そしてワタシとキミがOxymoronになっています。
ワタシとキミは大好きなのに噛み合わないおもしろくんとその想い人、そして双子なのに正反対な凪と颯の関係性がOxymoronというわけです。
このOxymoronは曲中に何度も出てくる重要なキーワードであり、この後の歌詞にも様々な矛盾や対比が出てきます。

ちなみにRN:おもしろくんは、ラジオネームに対して質問が面白くないという点で矛盾しており(辛辣か?)、OxymoronとO-Ku-Ri-Mo-No Sunday! のアナグラムにもなっています。(okusimoron→omosirokun、okurimonos)
言葉遊びが過ぎる。でもこれがこの曲の面白いところですね。

1番Aパート

キミは今日も一人きりで

(マイペース希望なんで)

窓の外を眺めていた

(大抵ぶっきらぼう、でもそうですね)

その横顔…振り向かせたい!

(ワタシが好きなワタシが好きならばワタシを好きでいてもいいですよ)

冒頭から、おもしろくんは大好きな人と噛み合わないことに悩んでいるため、ここで言う「キミ」はおもしろくんの想い人であり、颯パートはおもしろくんの、凪パートではその想い人の心境が描かれていることが分かります。(これはこの先の歌詞でも共通しており、颯パート=おもしろくん、凪パート=おもしろくんの想い人にそれぞれ対応していると考えます)

隣の席の大好きな人を「振り向かせたい」おもしろくんと「マイペース希望」なキミ。
2人はどうも噛み合っておらず、2人のチグハグな関係が描かれています。
また、「ひとりきりで窓の外眺めていた」に対して「マイペース希望なんで」と返すキミの様子から、キミは自分のペースを大事にしたいという自己愛のような思いがあり、他人によりそれが乱されることを危惧していることが伺えます。
だからこそ、自分を好きでいる条件として「ワタシが好きなワタシを好きならば」と返しているのです。
好意を拒む訳ではないが、自分を曲げたくもない。そんな「マイペース希望」なキミの在り方が描かれており、おもしろくんが頭を悩ましている原因はこれなのでしょう。

また、「振り向かせたい」「マイペース希望」という部分ですが、これは颯と凪の"アイドルへの動機"というパーソナルに繋がっています。


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2人は言わずと知れた双子の姉妹、生まれた時からずっと一緒でした。まさに2人で1人な状態です。しかしながら、彼女達はそんな状態をあまり良く思っておらず、颯は比較されるように評価されてきたこと、凪は互いが互いに歩調を合わせてきたことに対して一抹の不満を抱いていることがエピソードから読み取れます。


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そして、その不満は「双子じゃない自分を見てほしい」という颯と、「それぞれの道を進むべき」という凪の想いへと繋がり、それがそれぞれのアイドルへの動機と強く結びついています。
これを踏まえると、颯の「振り向かせたい」、凪の「マイペース希望」はそんな彼女達の想いを表しているとも考えられ、キミの考え方との繋がりも感じられます。

ちなみに凪の「ワタシが好きなワタシが好きならワタシを好きでいていいですよ」というのは、元々アイドルへの興味が無くPのスカウトによりアイドルになった凪のスタートを想起させるものとなっており、強い個性を持ちながら自我を求める「自分は曲げないけど変化は受け入れる」という凪のスタイルとリンクしています。

これは“コイ”ですか?

(ワタシはワタシで、で、で、で、で)

(タワシは流しへ、へ、へ、へ、へ)

いいえ、“フイ”なんです

(キミはキミですね、ね、ね、ね、ね)

なんてチグハグなんだ!

(つまりそうみんなチグハグなんだ)

「”コイ”ですか?」に対して「”フイ”なんです」と返すことで、”コイ”が恋と故意のダブルミーニングになっていることが分かります。
恋ですか?に対して不意なんですと返してしまうような噛み合わなさ。しかしながら、恋というものは故意ではなく不意に落ちてしまうものであり、結果的に恋ですか?への回答になっているとも言えるでしょう。噛み合わない会話と揺れ動く恋心に対してなんてチグハグなんだ!と言っています。

対して凪パート。
ワタシはワタシだし、キミはキミ。自分達は皆それぞれ異なった個性を持つ異なった存在であり、だからこそ噛み合わないのは当然であること。
また、たわしが流しに行くように、異なった個性を持つ私達はそれぞれの道に行くべきだという「マイペース希望」な考え方がAパート同様に描かれています。

また、ここまで2人はずっと異なったパートを歌っていましたが、「チグハグなんだ」で初めて歌が重なり、2人の関係性の変化、即ちmiroirという新たな関係が始まったことを予感させます。このパートからメロディーに変化があるのも同様の意味を持つと考えられるでしょう。

ちなみに余談ですが2Dリッチではキミと黄身が掛かっています。(多分特に意味はない)

1番Bパート

ねぇ、空は“Blue”でも わたしの“Happy”あげたら

噛み合ってなくたって Go My Wayが重なって

One Two さん はい Yes 惹かれ合うの

「空は”Blue”でも」で青空(空模様)を想起させたと思えば「わたしの"Happy”あげたら」が対応していることから、感情的な意味でのブルー(心模様)にも掛かっていることが分かります。
青空を抽象的な表現として捉えるなら良い意味で使われるのが一般的です。ここでは、そんな良い環境(青空)に反してブルーになってしまっている心情の噛み合わなさを描いており、大好きな人と隣の席になったのに話が噛み合わなくて悩んでいるおもしろくんの現状とリンクします。

また「"Blue"なキミ」と「"Happy"なわたし」が対比になっていて、2人の心情はまさにチグハグ。
しかしながら、そんな「"Blue"なキミ」に「わたしの"Happy"」をあげられるのは、2人が異なる存在、チグハグだからこそなのでしょう。
私達はそれぞれ違うからこそ補えなえ合えるし、惹かれ合う。
ここではそんな「チグハグさの肯定」を歌っています。

この「チグハグさの肯定」は、双子でありながら正反対な2人だからこその魅力、チグハグな面白さをコンセプトにするmiroirのユニット性にもリンクしており、それが私達だと力強く肯定する彼女たちの在り方を表現していると言えるでしょう。

また、エピソードでは凪が颯の背中を押す場面が何度かあり、双子じゃない自分を見て欲しいとひとりを夢見る颯が2人でいることの楽しさを取り戻すまでが描かれており、そういったエピソードとの繋がりも感じられます。

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1番サビ

Tig-Tig-Tig キミを捕まえて

Hug-Hug-Hug だけどハグしない

…なんで? (say,Why?)

裏腹Color 二人はTig-Hug-Oxymoron(Hay!)

Tig-Tig-Tig ツカズ/ハナレズで

Hug-Hug-Hug チカク/テ/トオイ

キミがそばにいる今日は Tig-Hug-オクリモノSunday

前述した通りTig⇔Hugでの対比、チグハグとの掛詞になっており、 Tig(鬼ごっこ)→キミを捕まえて
Hug(~を抱きしめる)→ハグしない
と続きます。

キミを捕まえるけど、ハグまでは出来ない。
ハグしたいけどもう一歩が踏み出せないおもしろくんと、ハグして欲しいのにしてくれないことに不満を感じるキミ(想い人)が共になんで?と問い掛けるという、なんとももどかしい2人の距離感と裏腹な気持ちが描かれています。

そんな正反対で噛み合わないキミだけど、いや、だからこそなのでしょう。そんなキミが側にいてくれるだけで今日という日はなんとも愛おしく思え、まるでSundayのように輝いて見えるのです。

ちなみに「裏腹Color」というのは裏腹な気持ち、異なる個性、颯と凪のCo(ブルー)とPa(オレンジ)の属性やイメージカラー(颯が浅葱色、凪がピンクで補色の関係)での色の対比といった3つの対比に加えて、「裏”同胞(はらから)”」にも掛かっており、正反対な双子である颯と凪を表現した詩になっています。ワードセンス天才か?

2番Aパート

(ワタシたちそもそも別人

 楽しみも趣味も違うし

 アタマの中 ココロの中)

それぞれなんだ

(それでもキミが知りたいし

 ホントの自分でいたいし

 あとはもうさ ちゃんとそうだ)

真正面からどーん

ここから2番に入ります。
1番でも示したように私達は楽しみも趣味も頭や心の中でさえ異なる別人です。
別人である私達がそれぞれの道を進む為には、自分が自分でいる為には、私達は離別する必要があるのかもしれない。
それを理解していて尚、キミが知りたいし、本当の自分でいたい。
ならばもうその答えは一つ。「真正面からどーん」していけばいい。

異なる存在である互いを認め、本当の自分でキミと向き合っていくこと。
チグハグな私達がそれぞれの道を進む為に本当に必要だったのは2人が離別することではなく、本当の自分で真正面からぶつかっていくことなのだという1番からの繋がりと変化が見られます。

また、1番Aでは颯パートの裏で凪がラップを入れるような構成で2人のチグハグさを強調していましたが、ここではそれぞれがそれぞれのパートを歌うことで、2人の関係の変化が表現されており、双子の姉妹からmiroirというアイドルユニットになった颯と凪の変化との繋がりも見えてきます。

エピソードで、Pは2人で1人だった双子の颯と凪を「miroir」というアイドルユニットとして、「アイドルの久川颯」と「アイドルの久川凪」として定義しました。


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つまり、互いの個性が埋もれてしまうような双子の姉妹の関係を、一緒でありながら互いの個性を尊重し、互いに魅力を高め合える双子のアイドルユニット「miroir」という関係として再定義したのです。

これにより、「双子じゃない自分を見て欲しい」と言う颯と、「それぞれの道に進むべきだ」と言う凪のそれぞれ感じていた不満と不安が解消され、当初アイドルに興味のなかった凪もアイドルに興味を持つようになります。


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「キミが知りたいし、ホントの自分でいたい」

凪は双子の姉妹である自分達の個としての価値を求めています。この2つの想いは「それぞれの道を進むべきだ」という凪の考え方の根元にあるものであり、これが凪のアイドルへの動機に繋がっています。

「真正面からどーん」はそんな凪が2人の関係の変化を経て得たアイドルへのモチベーションを踏襲したものであるとも言えるでしょう。

ここでなら、見つけられるかもしれない。本当の自分と、本当のキミを。 それに気付いたなら、あとはもう「真正面からどーん」するだけです。

これは“アイ”ですか?

いいえ、”ユー”なんです

なんかギクシャクだけど

1番同様「“アイ”ですか?」に対して「“ユー”なんです」と返すことで、”アイ”が愛とIのダブルミーニングになっていることが分かります。愛ですか?に対してYouなんですと返してしまう会話は相変わらずギクシャクしています。

本当の自分でキミと向き合いたいと思う気持ちは愛なのか?さらに言えば、”I”が掛かっていることからこれは自己愛なのか?という疑問提起とも考えられます。
だとすれば、”You”なんですという回答は対象愛を表してるとも考えられ、「他人を愛すためにはまず自分を愛すること」それこそが愛なのだという愛ですか?への回答になっています。
しかしながら、愛ですか?に対応する”ユー”は”友”だと考えるのが普通であり、その想いはすれ違ってしまっている訳です。

加えて、次のパートを読むと、藍⇔夕での対比も含まれているようにも考えられ、愛⇔友、I⇔You、藍⇔夕というトリプルミーニングになっています。

また、「コイですか?」と尋ねていた1番から、ここでは「アイですか?」に変化しています。
「他人を愛するためにはまず自分を愛すること」つまり、「確立した自己愛」こそが愛には必要なのであれば、恋とは「未熟な自己愛」を抱えた状態だと言えます。
だとすれば、離別することでそれぞれの道に進もうとした2人の在り方はまさに「未熟な自己愛」そのものであり、そこから本当の自分で向き合っていくことで自己愛は確立されていくのです。
そうして、恋は愛へと昇華されていく…そんな2人の変化が描かれています。

2番Bパート

真っ赤に染まるココロは “ユー”のススメ

遠慮なんてしてないで てやんでいでぶつかって

Four Five Six せーの 近づいてく

まず「ココロは”You”のススメ」の部分ですが、真っ赤に染まる夕焼けの”夕”、心を真っ赤に染めたのは”You”であるという「”You”の勧め」、その気持ちこそがキミを知るための手段であるという「”You”のすすめ」、更には「ココロは言うの進め」という意志といったようにあらゆる意味が内包されています。

「真っ赤に染まる」は1番の「空は”Blue”でも」と対応しており、青空から夕空へ。また1番の「One Two さん はい」から「Four Five Six」へ、という時間経過が見られ、それに合わせて青い(人間的に未熟な)心からの成長も表現しており、miroirとして変化した2人の姿ともリンクしています。

2人は相変わらずチグハグだけど、だからこそ惹かれ合う。 そして、2人は共にありながらそれぞれの道を進んでいける。
そのことに気付いたなら、あとはもう自分の心に従って真正面からぶつかっていくだけです。そうすることで2人は近付いていくのでしょう。

2番サビ

Tig-Tig-Tig キミに伝えたい

Hug-Hug-Hug だけどハグらかす

…なんで? (say,Why?)

大切だから言えない Tig-Hug-Oxymoron(Hay!)

Tig-Tig-Tig 永遠みたいな

Hug-Hug-Hug 一瞬を

ただキミと 分かち合いたいの

Tig-Hug-想いよ届け

そうして真正面からぶつかっていこうと思い、キミに想いを伝えようとしますが、何故かハグらかしてしまう。それは大切だからこそ言えないという思春期特有のアレでしょう。
言いたいけど言えない、言って欲しいのに言ってくれないという2人の気持ちのすれ違いが描かれています。

キミといる永遠みたいな一瞬が大切だからこそ壊したくないし、分かち合いたい。

「キミに伝えたい」「だけどハグらかす」「大切だから言えない」「永遠みたいな一瞬」といった2人のチグハグな心情がOxymoronになっており、相反するOxymoronな気持ちを前に踏み出せずにいる状況に思わず「想いよ届け」と願ってしまう..まさに青春です。

Cパート

(1LDK 2LDK アナタの望みはどういう系?

 駅近物件? ペットもOK? それとも一人暮らし1K?)

(あなたは何が欲しいんだっけ?) (け?)

(あなたはどうしたいんだっけ?) (ん?)

(大きな声でせーの)

アイしてたいの!

はーちゃんの「ん?」が最高。
唐突に間取りの話が始まりますが、これは凪の趣味であるマンションポエムが由来になっており、本当の自分で向き合いたいという気持ちの表れです。
またその自己主張の先で「あなたはどうしたいんだっけ?」と続くことで本当のキミが知りたいという気持ちも表しており、2番A同様、凪自身の「それぞれの道に進むべきだ」というパーソナルとリンクしています。

アナタは何がしたい?どうしたいのか。
その問いに2人は「アイしてたいの!」と高らかに答えます。
この”アイ”は”愛”と”I”に掛かっており、本当の自分でいたい自己愛と、キミを愛していたい対象愛という2つの愛の共存を意味します。

これまでチグハグな自分達を肯定し、本当の自分で向き合っていくことの大切さを説いてきた2人。
そんな2人が辿り着いた結論こそが、チグハグな2人でも自分を愛しながら他人も愛していけること、また自分を愛することで本当の意味で他人を愛することが出来るという自己愛と対象愛の共存です。

当初2人は共にあることで本当の自分でいられなくなってしまうのではないかと危惧していました。
しかしながら、実際にそんなことはなく、共にありながらそれぞれの道を進んでいけることに気付いた2人。それに気付くことが出来た2人は互いのチグハグな存在を認め、「本当の自分」でぶつかっていこうとしました。
これにより、2人は本当の意味で自分を、そして他人を愛していけるのです。
未熟な自己愛から自己愛の確立へ。自己愛から対象愛へ。そして、恋から愛へ。
人は「本当の自分」を大切に思うことが出来て初めて、他人の中にもある「本当の自分」を大切に思うことが出来るのでしょう。これこそが本当の愛であり、自分のことも他人のことも愛していきたいという2人の在り方こそが「アイしてたいの!」なのです。
この結論が冒頭の質問「大好きな人が隣の席にいるのに~」へのアンサーにもなっています。

また、これはエピソードでmiroirが見つけた答えに繋がります。

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「双子じゃない自分を見てほしい」という颯と「それぞれの道を進むべき」という凪の想い。2人で1人の双子である彼女達は当初袂を分かつ事でこの願いを叶えようとしました。

しかし実際はそんな必要はなく、2人は共にありながらもそれぞれの道を進んでいけるし、互いに個性を活かし合い、高め合える。また、2人でしか見られない輝きがあること、2人ならもっと輝けるということをmiroirというユニットで示したのです。


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大好きな人と共にそれぞれの道を進んでいく、一見矛盾しているようにも思えるmiroirの「Oxymoronの宣誓」...その答えこそが「アイしてたいの!」なのでしょう。

ねぇ ちゃんと見ていて ワタシらしい“ワタシ”と

手と手をとりあって Go My Wayで飛び出して

中 書き換えちゃお

「ワタシらしい”ワタシ”」というのは互いが自分らしさと向き合い、そして互いとも向き合っていくことを表しており、互いの個性を尊重しながら手を繋いで飛び出していく。miroirとしての2人の新たな関係性が描かれます。
このワタシを2つ重ねるという2人の新たな関係性、それこそが”アイ”を2つ持つ「m”i”ro”i”r」というユニットです。

そして、そんな2人が示した自己愛と対象愛が共存する「Oxymoronの宣誓」はLOVE&PEACEな”博愛”へと広がります。
自分を愛していけたから、隣にいるキミを愛していけるし、それ以外の誰かのことも愛していける。
自己愛から対象愛、そして博愛へ。
曲を通して「アイ」の在り方を伝えるmiroirの存在は、聴く人の背中を押して、いつか世界中を書き換えてしまうのかもしれません。

ラスサビ

Tig-Tig-Tig キミを捕まえて

Hug-Hug-Hug だけどハグしない

…なんで? (say,Why?)

裏腹Color 二人はTig-Hug-Oxymoron(Hay!)

Tig-Tig-Tig ツカズ/ハナレズで

Hug-Hug-Hug チカク/テ/トオイ

キミがそばにいる今日は Tig-Hug-オクリモノSunday

キミを捕まえるけど、ハグしない。1番サビと同じ歌詞ですが、ここまでのストーリーを踏まえると、ここではキミと共にありながら、束縛しないという意味へと変化し、互いが愛し合いながらそれぞれを尊重するという2人の在り方が見えてきます。
「なんで?」
それはきっと2人が「Tig-Hug」な「Oxymoron」だからです。

互いの個性を尊重しながら時には補い合って、それぞれの道を2人で進んでいけるキミ。
だからこそ、互いの存在が互いにとってまるで奇跡のように感じられ、そんなキミがそばにいてくれる今日という日はまさに神様からのオクリモノ。それがO-Ku-Ri-Mo-No Sunday!なのです。

Tig-Tig-Tig …Hey!

Hug-Hug-Hug …Oxymoron,Yes

Tig-Tig-Tig …Hey!

Hug-Hug-Hug …オクリモノ,Yes

(This program is brought to you  by twins of the oxymoron.)

Tig-Tig-Tig …Hey!

Hug-Hug-Hug …Oxymoron,Yes

Tig-Tig-Tig …Hey!

Hug-Hug-Hug …オクリモノ,Yes

物語の締めくくりです。
「This program is brought to you by twins of the oxymoron.」は、ラジオ番組の締めの定型句らしく(調べました)、意味としては「この番組はオクシモロンな双子の提供でお送りしました」という感じになるそうです。
ラジオ番組に来たお便りに答える場面から曲がスタートしているため、終わり方もそれっぽくなっており、番組のエンディングと共に曲が終わります。

前述しましたが、この一節があることでこの曲自体が冒頭のおもしろくんの恋愛相談への回答になっていることが分かります。
噛み合わなくても別に良い。何故なら、チグハグだからこそ私たちは惹かれ合うし、大好きな人と共にありながらそれぞれの道を進んでいけるから。
miroirの活動を通して気付いた2人の「Oxymoronの宣誓」。
それを持ってして凪は「うーん、別に良いんじゃないですかね」と答えたのでしょう。

また、このラジオ番組という背景により、曲を通してmiroirが説いてきたおもしろくんの恋愛相談への回答に第三者(リスナー)へのメッセージ性が付与され、miroirからこの曲を聴く人へのエールになっています。
そのmiroirからのメッセージ、即ち"オクリモノ"こそがこの曲「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday! 」なのです。

最後に

長くなりましたが考察は以上です。
説明し忘れましたが、まだこの曲はCD化されていないため、ここで引用した歌詞は公式のものではありませんのでその点はご了承ください。
また、ここまで書いたものはあくまで個人的な解釈の1つであり、その曲の難解さから様々な解釈が出来るのもこの曲の魅力です。もしかすると、人によって様々な解釈が出来るというのもこの曲のテーマに掛かっていて、数多のミーニングや言葉遊びが歌詞に含まれているのもその為なのかも…?なんてことを思ったりもしています。

一見、ポップでキャッチ―なこの曲ですが、ふとこの曲の世界に足を踏み入れると、その歌詞やメロディに沢山のギミックが仕組まれていることが分かり、なんとも厚みのある難解な世界観が見えてきます。
それがこの曲の面白いところであり、miroirの魅力なのです。

miroirとして新たなスタートを切った2人のアイドルの物語はまだ始まったばかり。Go My Wayを2つ重ねる彼女達が今後どのような姿を見せてくれるのか。
また、目前に迫った彼女達の初舞台になる7thライブで、どのような景色を見せてくれるのか。
颯と凪、長江里加さんと立花日菜さんが二人三脚を2つ合わせて見せるステージはきっと素晴らしいものになるでしょう。
彼女達のこれからが非常に楽しみです。

ところで、このブログを書き上げるのに時間を割き過ぎて予習が全く進んでいません。どうすればいいですか?
んー、べつにいいんじゃないですかね?だって...


おわり。

2018年

はい、こんばんは。
いよいよ2018年の終わりが目前まで近付いてきたので、2018年のまとめでも簡単に書こうかなと年末に慌ててブログを書き始めたのですが、全く間に合わず、2019年も重度のADHDっぶりを発揮させてしまいました。悲しいですね。
まあブログを書き終わるまでが2018年ということで何卒。

という訳で2018年の振り返りを雑に書いていきます。

イベント

1月21日 NEW GAME!! FESTIVAL!!

思い入れと、好声補正を込みで今年一番心が動かされたイベント。
終演後にオタクと「今年もう終わったな!ガハハw」とか訳分からんこと言ってたのを覚えています。終わってません。
詳細は過去ブログに書いたのでそっちを見てくれると助かります。
k-9-ah.hatenablog.com

2月3日 東山奈央 1st LIVE "Rainbow" at 日本武道館

好声補正、思い入れ一切抜きで一番を挙げるなら間違いなくこれです。
東山奈央さんの圧倒的なパフォーマンスは勿論、ライブにかける熱い想いが一曲毎に込められてるのが何も知らない私にも自然と伝わってきて、ファンではないのに感動してしまった。声優アーティストの完成形を見たような気がします。
このライブを語らずして2018年は語れない、もっと言えばこのライブを見ずして声優オタクは語れないですね。今すぐ上映会したいです。

6月2日 温泉むすめ放送部 公開録音 Vol.2 in 箱根

箱根温泉、遊覧船内という規格外の会場でのイベント。
何より箱根温泉の温泉むすめである箱根彩耶役長江里加さんの目標であった箱根温泉でのイベントが形になった日である。
本人が以前一人でプライベートで箱根温泉に足を運んだという経緯があり、そのことを合わせて本人が「一人のロープウェイが皆との遊覧船に」と言う話をされていて、大変エモーショナルなイベントでした。

7月20日 Tokyo 7th シスターズ メモリアルライブ『Melody in the Pocket』in 日本武道館

ナナシスの集大成。
青空まで歩いてきた軌跡の祝福、圧倒的な肯定。 最高傑作のライブでした。それ以上の言葉は要らない。ただただ幸せでした。以上です。

8月5日 SPECIAL YUKEMURI FESTA in 札幌

温泉むすめの地方イベントで札幌に。
北海道と言えば、SPRiNGSメンバーの一人である登別綾瀬役日岡なつみさんの故郷であることは言うまでもなく、加えて日岡さん自身の長年の夢の一つが凱旋でのイベントだったことから、特別なイベントです。ホンマ、おめでとうな...。
それはそうと、SPRiNGS全員のみでの久しぶりのイベント、そして下呂美月役佐伯伊織さんが加わってから初めての地方という文脈でもかなりエモがありました。未来の彼方もここで初披露、横の広がりを見せる最近の温泉むすめの中で、変わらないSPRiNGSの魅力を久しぶりに見られたイベントだったように思います。


とまあこんな感じですかね。他にもカラーズ☆スラッシュのライブだったり、やが君の先行上映会だったり、リステ2ndだったり、こうして思い返してみると結構充実した1年だったなあと思います。 やが君先行上映会はレポも書きましたので是非。 k-9-ah.hatenablog.com

楽曲

MELODY IN THE POCKET / 777☆SISTERS

MELODY IN THE POCKET

MELODY IN THE POCKET

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君の歌になる

2018年で一曲を挙げるなら間違いなくこの曲。
上にも書いたナナシスメモリアルライブのアンサーソングであり、ナナシスそのもの。 聴いたときの幸福感に加えて、強烈なメッセージ性が感じ取れる歌詞、情景が思い浮かぶようなメロディ、力強い歌声は圧巻の一言。
どうしようもないキモ・オタクである私ですらこの曲は肯定してくれるような気がします。みんなも好きなことには真っ直ぐでいような。

17才 / ハルカトミユキ

17才

17才

  • ハルカトミユキ
  • ロック
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戸惑いも悔しさも すべてが絵の具になるから
下手くそだって消さないで

TVアニメ「色づく世界の明日から」のOP。
物静かな1番A,Bメロから少しずつ音が増えていき、サビで一気に盛り上がるまでの流れが、物語の大きなテーマである世界が色づいていく様を表しているようで天晴れ。
2番サビの「全て今キャンパスになる」→Cメロ「戸惑いも悔しさもすべてが絵の具になるから」→ラスサビ「虹がかかるよ」で締めるの美し過ぎませんか?
アニメと合わせて聞いて欲しい。アニタイ曲では2018年1番です。
色づいてないのはお前だけ。

Seventeen Feels / Tetralkhia

Seventeen Feels

Seventeen Feels

  • Tetrarkhia
  • アニメ
  • ¥250
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So, Everything must go away
No matter where we go from now
Just follow your heart and keep it up

リステージのユニットの一つTetralkhiaの新曲。
良曲揃いのリステージの中でも強烈なインパクトがあるこの曲。アコースティックなイントロからサビで一瞬で多動になる様は、タイトルにもある17歳という思春期特有の葛藤を上手く織り込んでいて、単純ですがオタク好みのもの。
各サビに英語の歌詞があるのですが、ラスサビでそれらの歌詞が今度はまとめて出てくるんですよね。そこから「Just follow your heart and keep it up」で締める。めちゃくちゃカッコイイです。

Lumiere / TROISANGES

Lumiere

Lumiere

  • TROISANGES
  • アニメ
  • ¥250
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どんな小さな歩みも 見ている誰かがいるわ
光はそう 射す場所選ばない
誰かにとっての Etoile

再びリステージ。TROISANGESの新曲です。
先程のTetralkhiaとは異なった優雅で壮大な音楽と、「天使」をテーマにしたユニットコンセプトがこのTROISANGESの特徴です。
個人的にはTROISANGESの楽曲の中では1stミニアルバムのリード曲であり、ユニットそのものとまで感じ取れる渾身の一曲「STORIA」の一強だと思っていたのですが、そんな「STORIA一強時代」はこの「Lumiere」の登場により終焉を迎えることとなりました。
これまでとは打って変わった「黒トロワ」という要素を歌詞やメロディに印象的に織り込むことで、より深く、濃く世界観が色づけられているように思います。またそれを持ってしても負けることのないTROISANGESの歌声が曲中で幾度と無くフォーメーションを変え、重なることで奏でられるハーモニーは圧巻と言えるでしょう。
というか、日岡なつみさん、阿部里果さん、長妻樹里さんの歌唱が本当にバケモン過ぎて度肝を抜かれました。是非TROISANGESの真価を感じ取ってほしいです。貴方の日常にも天使が舞い降りるかもしれませんね。
作詞の方が熱いブログを書いておられるので、そちらも是非。 www.soflandaichi.com

私もこの曲に関するブログを一本書こうかと思っていますので何卒...。

1st Stage クリヤー☆ / 琴葉(CV.日岡なつみ)

1st Stage クリヤー☆

1st Stage クリヤー☆

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3人でいようよ グロいゾンビなっても
友達だよね
絶対、いっしょ、だから
ゆびきりだ!

三ツ星カラーズのキャラクターソングの1つ。
琴葉のキャラクター性にちなんだレトロな電子音に不朽の名作ゲームを思わせる単語が散りばめられていて、遊び心に溢れた一曲。その中にも琴葉が作中ではあまり表に出すことのない内側の感情が描かれているのが魅力です。
また、日岡なつみさんの大きな魅力の1つである"キャラクターとしての歌唱"も聞きどころ。余談ですが、この非凡な才能が、彼女のキャラクターへの理解の深さから来ていることを感じ取れたのも、この曲がきっかけだったように思います。参考までにインタビュー記事を貼っておきます。 www.animatetimes.com

覗かないでNAKEDハート / 虹川仁衣菜(CV.指出毬亜)、椎柴識理(CV.鳥部万里子)、箕輪みかさ(CV.日岡なつみ)

覗かないでNAKEDハート

覗かないでNAKEDハート

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会えそな予感 いかん!鼓動は彗星に
NAKEDハートさえ 覗かれそう…

地味に曲が強いと一部で評判のVRアイドルプロジェクト「Hop Step Sing!」の4枚目のシングル。
オタク大好き本多友紀さん作曲のコミカルなポップチューン、そこに作品の近未来的な世界観が上手く融合していて良。
Hop Step Sing!と言えばVRミュージックビデオが特徴の1つです。当然、本楽曲にもVRミュージックビデオが付いている訳ですが、これがまた良。「傷付いた心を修復する魔法の工場」という独特のコンセプトの中でVRアイドルが生き生きと動く姿を360°一人称視点で追いながら、その中に沢山の仕掛けがあって、特に今作ではアイドル達との触れ合いが可能になっているのが特徴で、TGSで実際にVR体験をしてみたのですが、中々に楽しめました。
2019年も期待してます。というか次回ほぷなまはいつ……?
MV(是非スマホで)→ www.youtube.com

カン違いSummer Days / ときめきアイドルproject

カン違いSummer Days

カン違いSummer Days

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太陽よりも直視できない 眩しい青さと、この距離を
何と呼ぼう?

今は亡きときめきアイドルから一曲。
「しゃかりきリレーション」「ハルイチバン 」に続いて、押田誠大先生大勝利な一曲ですね。この方は乃木坂46の曲も制作しているらしく、かなりそれっぽい感じが出てます。コンビニとかで流れてても違和感がなさそう。
ノスタルジックでちょっぴり切ないメロディと歌詞は一言で言えば"青春"。イントロからのAメロへの落とし方がとても好きです。
ときめきアイドル、無くすには惜しいコンテンツでしたね…。完全に余談ですが、オタクに「叶うまで夢見よう→夢見た結果www」と煽られて今年一番キレました。

瞬間最大me / 相坂優歌

瞬間最大me

瞬間最大me

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「わかる!」って言えば 生きづらくないなんて
思考停止 やめて

これ2018年だったのか…と驚きましたが、声優アーティスト楽曲の中だとこれがインパクトありました。
Future Bessとロックサウンドが融合されてガーリーな雰囲気が漂う中々に楽曲派な一曲だと思います。どうやったら思い付くのか理解出来ない独特な歌詞と韻の踏み方も絶妙で中毒性があり、メロディと合わせてめちゃくちゃ気持ちいい。相坂さんの歌声との親和性もあってかなり完成度が高いですね。この曲をアルバムのリード曲に持ってくる辺りも最高。2018年ネイマール賞です。オタクも思考停止はやめましょう。

SNOW FLAKES MEMORIES / シャイニーカラーズ

SNOW FLAKES MEMORIES

SNOW FLAKES MEMORIES

  • シャイニーカラーズ
  • アニメ
  • ¥250
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掌の上 舞い降りた白い雪
スッと染み込んでいくみたいにみえた
思い出って こんな風に胸に
…染み込んで心になるんだね

水面下で盛り上がりを見せ始めているシャニマスのウィンターソング。
正直、視聴段階では全く響かなかったのですが、フル音源でかなり化けたように思います。クリスマスのパーティーがテーマになっているのですが、シャイニカラーズのメンバー16人で初めて過ごす特別なクリスマスという文脈を踏まえると聴こえ方が変わり、かなりエモいです。
同時期にゲーム内で初めての16人合同のエピソードが誕生し、その内容がクリスマスパーティーになっているのは偶然ではないでしょう。この曲を歌う時、きっと彼女達は雪のように染み込んだこの特別な思い出に想いを馳せる…そんな祝福の歌だと思います。1stライブのチケットを譲ってください。


以上、かなり雑に思い付いたものを書き殴ったので、他にも何かありそうな気がしますが、今年の楽曲はこんな感じでした。振り返ってみると、二次元アイドルコンテンツの曲ばかりで好ましくないですね。
また、お気付きの方もいるかと思いますが、リステージ、三ツ星カラーズ、Hop Step Sing!、ときドルと、日岡なつみさんの歌声を良く聴いた1年だったように感じます。
選曲が偏ってしまったのは反省として、2019年はもっと視野を広げていきたいところですね。

まとめ

本当は2018年のアニメも振り返っていく予定だったのですが、面倒になったのでまとめです。ちなみに2018年は「色づく世界の明日から」「やがて君になる」「こみっくがーるず」「三ツ星カラーズ」あたりかな…なんか思い出したら追記するかもしれません。

今年はそうですね、結構大変だったなーみたいなことを振り返った今思います。特に上半期は声優関連でかなり思い悩みまして...。
対して下半期は色んなことに区切りがついたというか、線引きが出来るようになったというか。かなりフラットな視点でオタク出来たかなと思います。オタクとしての考え方がガラッと変わったような感じです。
そんな中でも、上にも書いたようなターニングポイントとなりうるイベントにも足を運ぶことが出来ましたし、素晴らしいアニメとの出会いもあったりして、比較的充実した1年だったように思います。
何はともあれ2018年最初から今日まで好きなものを好きで居続けられて、こうして2019年を迎えられたというのがまあ何より嬉しいです。 2019年も楽しんでオタクやっていけたらいいですね。

最後に、イベントやツイッター等で仲良くしてくれた皆様、大変お世話になりました。これからもよろしくお願いします。
それでは、2019年も良きオタクライフを!