2020年

今年もやっていきます。

はじめに

毎年恒例になりつつある年の瀬の風物詩、1年の振り返りブログ。
昨年はイベント、アニメ、楽曲、声優の4項目を振り返っていましたが、今年は新型オンオオウイルスの影響によりオタクイベントに参加する機会がほぼなく(前年度比85%減)、それに伴って全体的にオタク的なモチベーションが下がってしまった為、特に振り返ることのない1年となってしまいました。悲しいね…。
それでも楽曲だけはそこそこ聴いていたので今年は楽曲についてのみ書こうと思います。

今年の良い曲10選

例の如く、コンテンツやアーティスト、作家の被りがないよう意識して選曲しました。オタクモチベーションの低下とか上で書いておいて、選んだ曲が大体オタク楽曲になってるの、マジで何?って感じですが、今年は家にいる時間が多かった分、これまで触れてこなかった曲達を聴く機会が増えて、割と充実していたな〜という気持ちです。
早く生で気持ち悪い動きをしながらキモい音を浴びたいですね。

Fall in Love / SEASON OF LOVE

作詞:SATSUKI-UPDATE 作曲:Hiroshi Usami

Fall in Love

Fall in Love

アプリゲーム『Tokyo 7th シスターズ』より。
有栖シラユキ、星柿マノン、ターシャ・ロマノフスキー、晴海シンジュによる新ユニット『SEASON OF LOVE』のデビュー曲です。エピソードでは未来編と称してA.D.2043、9年後のナナスタが描かれ話題になりました。
ジャケットを見れば分かる通り、秋(Fall)が一つのテーマになっており、どこか寂しくも美しい雰囲気を曲全体が纏っているような、秋の空気感を確かに感じさせてくれる曲になっています。
デビュー曲らしい明るく華やかなバンドサウンドですが、飾りのない真っ直ぐなメロディが体にスッと入ってきます。聴き心地がなんとも良い。
自然体で人間的な印象を受けながら、それがとても美しく感じられるのはまさに"ナナシスらしい"と言えます。
Aメロの「枯葉」「落ち葉」と言った秋に因んだワードは季節の移り変わりや夏の終わりを思わせますが、それらを「澄んだ枯葉」「濡れた落ち葉」と表現することで儚げな美しさを感じさせ、更にはそれらを「好き」と肯定することで"今"という瞬間の尊さ、新たな始まりを感じられます。
特筆すべきはやはりCメロでしょう。2サビにいかずCメロに向かう展開から「色づいた木々たち」「沈んでいく太陽」という詩が続くことで"変化"を強く強調し、後半で「輝きの季節に恋して生きるの たとえば真実の恋にいつか落ちちゃっても」とサビに向かってキメを挟んだのち「ほら目の前伸びる夢のアーチライトは〜」と結ぶ流れが美しく、気持ちいい。
季節が変わっていくように世界は常に変化し続けるもので、変わりたくないと願っても人は変化の重力に抗うことなどできない。そんな寂しさや儚さを感じさせながら、それでも「輝きの季節」に生きること。 「輝きの季節」は"今"を祝う言葉だと思っています。つまり、この時間は永遠ではないけど、だからこそ今を生きる。そうすればきっと未来は輝かしいものになるのだと、そういったメッセージをこの曲から感じました。
ナナシス自体、昨今は変化を強く感じさせるものが多く、ナナシス終わるんか…?と寂しく感じていたので、そういった面も含めて未来を前向きに捉えられるようになった、そんな思い出深い一曲です。エピソード5.0も最高なので読んでください。

キミのラプソディー / Mashumairesh!! (遠野ひかる, 夏吉ゆうこ, 和多田美咲, 山根綺)

作詞:Wiggy 作曲:Wiggy

キミのラプソディー

キミのラプソディー

  • Mashumairesh!!(CV:遠野ひかる、夏吉ゆうこ、和多田美咲、山根 綺)
  • アニメ
  • ¥255

ましゅまいれっしゅ!!良いアニメだったな…ってことでTVアニメ『SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!』のEDテーマです。
力強いイントロの入りから、可愛らしくキャッチーなギターリフがとても耳に残ります。その中に少しの切なさを感じられるようなメロディーになっているのがまた良い。
サビでのユニゾン、繰り返されるクリシェっぽい進行、ラスサビ頭のキメなど、バンドの一体感、わちゃわちゃ感を要所で感じられ、特にラスサビのドラマティックなキメから最後の最後にタイトル回収と合わせて「キミのラプソディー」とユニゾンするのがめちゃくちゃ良くて、Mashumairesh!!が紡いできた軌跡をどうしようもなく感じてしまうような、そんな曲です。
そして衝撃なのが、アニメ上この曲の作詞をマシマヒメコが担当しているということです。
つまり「もうちょっとあとちょっと キミに近付きたいな 秒速5センチ まだちょっと言えなくて キミに触れてみたい...」も作詞マシマヒメコだし、「出逢えた奇跡が 日常を彩って きらめき出す」も作詞マシマヒメコだし、「oh my girl 想いが そっと溢れてく」も作詞マシマヒメコなんですよね。マシマヒメコさんさぁ…。
前半では想いに反して素直になれず、降り積もっていくだけだった気持ちを「想い"は"そっと溢れてく」としていたのが、Cメロで「勇気を出し駆け出した」ことを皮切りにラスサビで全開放され、「想い"が"そっと溢れてく」と転調と共に積もった想いが外に溢れ出してしまう、そんな状態を「oh my girl」と歌う流れが余りにも良すぎる。マシマヒメコさんさぁ…。
2020年のアニソンを代表する一曲だと思っています。

23時の春雷少女 / 鬼頭明里

作詞:田淵智也 作曲:田淵智也

23時の春雷少女

23時の春雷少女

声優アーティスト鬼頭明里さんの1stアルバム『STYLE』より。
イントロのワクワク感。ギターから始まりドラム、ピアノ、シンセと音が一気に広がっていく感じが、これから何かが始まるという予感を確かに感じさせてくれます。その中にほんの少し影が見えるような音が違和感となって聴こえてきます。
Aメロの前半から後半にかけて不揃いな印象を受ける音達が歩幅を合わせてリズム感になっていく感じが、「街を包む風と誰か」に対して「識別さえできない」私が「通じ合える特別な声」と出会うことで世界が進み始める物語と噛み合っていてとても良い。
Bメロ、強調され少しずつ近付いてくるコーラスが緊張感、不安な空気感を思わせ、スネアの連打からサビへと盛り上がっていき、サビの「まるで春雷」でキメ。曲の要所で孕んでいた影が、春雷のインパクトを引き立てているように感じられます。
春雷とは春を告げる雷とされています。「君の勇気を感じ取った」とあるので2人の関係に何らかの変化が訪れようとしていることが分かり、それがきっかけとなり春雷が起こる。それを受けて「エラーコード」が発生してしまう。電子的な音楽、歌詞と雷の組み合わせ方に脱帽します。
Cメロのピアノソロ、シンセソロで涙と感情の揺れ動きを表現し、ラスサビは向かう流れは圧巻です。
春雷によりエラーコードが発生し、逃げてしまった1番から自分の感情が分からず不安が滲む2番、Cメロでそうして思わず溢れた涙をきっかけに自分の感情に対する答えへと向かっていき、ラスサビの「証明は終わり それが恋だった」で大回収。最後にはイントロと同じメロディを"君との新しい世界の始まり"として聞かせる流れが見事です。
少女の複雑な恋心を電子的な要素と、雷、23時というワードと音を使って表現したセンスは流石は田淵智也さんと言わざるを得ないですし、そこにやしきんさん・成田ハネダさんによる編曲が加わり最早無敵です。この曲を歌い上げ、自分のものにしてしまえる鬼頭明里さんのポテンシャルにも驚かされました。
他にも『キミのとなりで』や『トウメイナユメ』など今年の鬼頭明里さんはアーティスト面でも凄かったですね。

アンチグラビティ・ガール / 月ノ美兎

作詞:MCTC 作曲:TAKU INOUE

にじさんじオリジナルフルアルバム『SMASH The PAINT!!』よりVtuber月ノ美兎さんの楽曲です。
浮遊感、宇宙感のあるサウンド月ノ美兎さんの力強く飾らない歌声が印象的な一曲です。
冒頭の「イエー!」から最大出力で殴ってくる感じが堪りません。シンセサウンドが印象的ではありますが、それとは裏腹に生感のあるバンドサウンドが見事に親和していて凄いことになっています。
遠く、そして広く響き渡る盛大なサウンドは広い世界を見せてくれるようですが、そこにちょっと間抜けで自由な歌詞が良いアクセントになっていて、グッと近くに歌い手が感じられるような気がします。
ポンコツだって承知さ」「B級のドリーム 永久にさ」「重力なんていらない ハリボテでもいい」などなど、自分のパーソナルを力強く肯定し、歌い上げる。曲中でも所々間抜けだし、バカなことをやって失敗したりしているのですが、それらすら「今までの全てを笑ってたい」と歌い、更には「これからの全部を笑いたい 笑ってたい」と過去現在未来全てを肯定してしまえるカッコ良さ。
私は月ノ美兎さんがどのような人なのかわかりませんが、それがきっと月ノ美兎という存在なのだろうと一撃で分からされる感じが凄い。
また、2020年にこの曲が出たことに大きな意味があるんじゃないかなぁと思います。無条件でエンタメっていいなあと思わされた、そんな曲です。
2020年の大アンセムで間違いなしでしょう。
今年のイノタクは凄かった…まあ、いつも凄いのですが…

ゆっくり走れば風は吹く / ときのそら

作詞:瀬名航 作曲:瀬名航

ゆっくり走れば風は吹く

ゆっくり走れば風は吹く

  • ときのそら
  • アニメ
  • ¥255
ときのそらミニアルバム『My Loving』より、Vtuberときのそらさんの楽曲です。
ゆっくり走れ!走れ!道に!迷った時がチャンスだ〜←めちゃくちゃ好き
疾走感のあるポップなメロディが印象的な一曲です。サビで入るブラスサウンドやクラップ、グロッケンっぽい?音など、色々な音が聞こえて来るカラフルなサウンドが楽しいです。そこにときのそらさんの特徴にも思える高音域の歌い上げが乗っかって少し不器用ながらも突き抜けるような気持ち良さがあります。
サビの「ゆっくり走れ 走れ」「何にもない もない」「出来ないことばっかり見えて くるくるいつも遠回り」など、同じ言葉を2度繰り返すことでリズム感が良く、更に力強いメッセージ性を持たせる歌詞が見事です。地に足がついていてとても温かい一曲です。長く愛される曲になっていってほしいですね。
「何にもない」もない!←クソ好き

シャイノグラフィ / シャイニーカラーズ

作詞:古屋真 作曲:ヒゲドライバー

シャイノグラフィ

シャイノグラフィ

  • シャイニーカラーズ
  • アニメ
  • ¥255
プラウザゲーム「アイドルマスターシャイニーカラーズ」より一曲。
とにかくサビの上昇感が凄い。Bメロで音を落としてから、少しずつドラムが高まっていき高音で「行こう」と入りサビへ行く感じが助走をつけて飛翔する姿を容易に想像させてくれます。そこからサビで細かく刻まれるスネアが異常な疾走感を演出しており、そこに階段のように駆け上がっていくメロディが合わさってとんでもない上昇力を感じさせてくれます。
サビ後半ではその勢いを落とすことなく、軽やかなハイハットが入り、情熱的なギターリフが鳴り響く展開がとてもエモーショナルです。
また、ドラムパターンに関しては1番と2番とで異なっており、2番以降は1番のような高速ドラムはなく、どちらかと言えば地に足がついたような比較的落ち着いたビートになっており、それがまた力強く、ドラムでもグラデーションを感じられるヒゲドライバーさんの技巧にビビります。色を感じさせる歌詞や全体的に透明感のあるメロディがシャニマスの新たな風を感じさせますね。
「不可能から可能性に」が凄く好きです。0から100ではなく、0から1になることに価値があるんやな…。

Agapanthus / 麻倉もも

作詞:渡辺翔 作曲:渡辺翔

Agapanthus

Agapanthus

麻倉ももさんの2ndアルバム『Agapanthus』のリード曲です。
イントロのキャッチーなメロディーと可愛らしい音が気持ち良いです。サビで響く開放感のあるストリングスは少し大人っぽくなった麻倉ももさんにピッタリハマっており、温かく、想いが花開いていくような印象を受けます。ハァ…渡辺翔さん…。
また、Bメロやサビ終わりのウィスパーボイスは聴きどころであり、麻倉ももさんの強みを感じます。本曲では全体的にナチュラルな印象があり、より麻倉ももさんの実像が思い浮かぶような感じがありますね。ハァ…麻倉ももさん…。
タイトルの『Agapanthus』の花言葉は「恋の訪れ」「ラブレター」であり、それに因んだ表現が歌詞でも見られます。「施したアイの刺繍ポスト入れて花やいだカード届けよう」などといった歌詞は意図せずでしょうが、ご時世的にどうしても心に来てしまいます。
声優アーティスト麻倉ももさんと言えば、恋の歌。そんな印象を強く打ちつけ、更には大人になった愛の歌をも歌った、本アルバム『Agapanthus』はひとつの集大成と言えるのではないでしょうか。

Take me to heaven / AZKi

作詞:七条レタス 作曲・編曲:D.watt (USAGI Production)

Take me to Heaven

Take me to Heaven

  • AZKi
  • エレクトロニック
  • ¥255
Vtuber AZKiさんのオリジナルシングルです。
ゆったりとしたテンポのクラブミュージックで音数が多くなく、柔らかいサウンドが印象的ですが、それとは裏腹に「音楽がないと生きていけない」と言った感情的なメッセージ性が込められており、そのギャップが良いです。
「息が止まるその瞬間まで この音楽に溺れてたいの」「遺書みたいなプレイリスト」「“Take me to heaven” 連れていって、あのメロディで 私を、そこへ」など重たく感情的な歌詞ではありますが、感情いっぱいに歌うと言ったことはしておらず、それが逆に狂気的というか…。淡々と音楽に沿って歌っているような感じがあり、グルーヴ感があって気持ち良い。
夜明けや朝方などの街の風景が鮮明に思い浮かぶような曲です。
音楽がないと生きていけない人間は私の周りに沢山いそうなので、そうだと思う人は聴いてみてはどうでしょうか?

感電 / 米津玄師

作詞:米津玄師 作曲:米津玄師

感電

感電

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255
米津玄師の5枚目のアルバム『STRAY SHEEP』より。
ブラスサウンドが印象的な一曲です。どこかアンバランスなメロディにクサい歌詞がど真ん中を突き抜けていくのがめちゃくちゃカッコイイです。
犬や猫の鳴き声など、色々な音をアクセントとして使用しており、アンバランスな感じ、どこか不気味な感じがありながら、思わず横ノリしてしまう。尚且つグルーヴ感があって正直よくわかりませんが、とにかく凄いです。これを1人で作り上げてしまう米津玄師の"凄み"が凄い。
歌詞全体に社会から乖離された人間の生き方を感じられます。やるせない世の中から抜け出して「たった一瞬のこのきらめき」や「心臓を刹那に揺らすもの」を求めて「稲妻のように生きていたい」。そんな生き方を持ってしてリスナーに「お前はどうしたい?」と投げ掛ける、それこそが『感電』なのかなと思います。
というか、これがJ-Popの第一線で響き渡ってると思うと笑ってしまいますね。

yumeutsutsu / 赤い公園

作詞:津野米咲 作曲:津野米咲

yumeutsutsu

yumeutsutsu

赤い公園のアルバム『THE PARK』より一曲。
バキバキに歪んだギターリフから始まる爆音のイントロがめちゃくちゃに気持ち良く、衝撃的。どうやってこの音出してんの…?あとベースがめちゃくちゃやかましい。
「轟け愛 予感を信じて五感を劈く」、ラスサビの「行こうぜ!」からの「うつくしい圧巻の近未来 絶景の新世界」と言ったキラーワードがメロディに負けてない。
イントロからジャスト3分間、とんでもない勢いで音楽が駆け抜けていく爽快感。有無を言わさない力強さ。めちゃくちゃカッコイイです。生で聴いて見たかったですね。

以上が2020年の10選となります。今年は趣向を変えてオタクソング以外からも選んでみました。今回は選びませんでしたが、他にもヨルシカの『盗作』なんかも衝撃的なアルバムでしたし、Kizuna AIの『Replies』も良かったですね。
今年はVtuberの曲などネット音楽を聴き始めたり、J-Popなどの曲も良く聴いていて、割と充実していたな〜と思います。コロカスの影響で他の事柄はクソでしたが、音楽だけはいつもそこにあって、音楽の価値を改めて感じられたそんな一年だったように感じます。

終わりに

書いてたら紅白が始まってクソ慌てています。
さて、モチベーションが下がったと冒頭では書きましたが、定期的にアニメを見て絶叫したり、漫画を読んで鬱病になったり、オンラインライブを見て絶叫したりしてなんだかんだ楽しかったです。
イベントが無くなったらどうなるんだろう…みたいなことを昔考えていたことがありましたが、実際目の当たりにすると、意外と生きていけるんだなというのが少し寂しくもあります。
いつかまたイベントに行ってデカイ声出して、居酒屋でまたデカイ声を出して、終いには終電を逃すような、そんな日常が戻って来てほしいなと願っています。いや、そうでもないな。
ともあれ、今年もお疲れ様でした。
ナナシスのライブと劇場版は行きたいね〜

終わり。